軽自動車ではなくK-CARとして売っていく
ラッコはすでに新興国のみならず、EUあたりも視野に入れ、ラッコとその仲間たちのプロダクトを立ち上げたといっていいだろう。
2027年には中国チェリーが日本国内での軽自動車規格BEV販売を予定しているが、BYDも含めて日本国内で外資が軽自動車規格BEVを販売するのは、世界市場に対して、日本の軽自動車規格となるBEVを日本国内で販売している実績があるという箔をつけて、世界市場への展開を進めるのではないかとも筆者は考えている。
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そこで思い出したのが、海外の食品市場に出まわっている”WAGYU(和牛)”である。日本のスーパーの肉売り場へ行けば、国産和牛という表記を目にしたこともあるかと思う。和牛となれば=日本産とも連想しがちなのだが……。AIで「和牛とは何か」と聞くと、和牛は4品種とその交雑種と定義が決まっているそうだ。一方のWAGYUはそこまで明確な定義はないものの、和牛の血統を一部もつ牛や和牛風の高級牛肉がWAGYUと呼ばれることがあり、つまり日本国内産でもなく、なおかつ和牛をアルファベット表記しただけでもなく、かなり異なるものなのである。
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先日、マレーシアの日本を意識した焼き肉屋に食事のため入った。少々ハイクラスな居住区にあったので、日本のブランド牛がメニューにあるなか、WAGYUもメニューに載っていた。地元の人がどこまで和牛とWAGYUの違いを理解しているかは定かではないが、メニューを見る限りは消費者へのアピールポイントとしては高いように見えた。それほど日本に興味がないならば、日本産ではないWAGYUであっても、満足感の高い食事ができたという人もいることだろう。
ラッコやチェリーの軽自動車規格BEV以外にも、BYDやチェリー以外の中国車メーカーでも、日本の軽自動車規格に近いBEVは結構目にすることができる。先日、インドネシアの首都ジャカルタ近郊で開催されたGIIAS2026会場でも、中国ウーリンが全幅のみが軽自動車規格より70mm広くなるAira EVを大々的に展示していた。
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軽自動車が注目されているとはいえ、海外では日本の軽自動車規格を厳格に守る必要はない。つまり、中国系ブランドで目立っている日本の軽自動車規格に近いコンパクトBEVがK-CARとして、WAGYUのような存在で展開を進めてくるのではないかと見ている。海外でこのサイズのクルマを新しく販売するのならば、新興国であってもBEVはかなりマストに近い要件となってくるだろう。
仮に「日本のメーカー製ではないけど……」との指摘を受けても、「日本のユーザーにも認められよく売れています」となれば、WAGYUでの和牛風の高級牛肉ならぬ、日本の軽自動車ユーザーのお墨付きを得ているモデルとなるのである。このようなニュアンスの話は実際、BYDディーラーのスタッフからも聞くことができた。
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筆者は以前、海外で乗り合わせたタクシードライバーから、「お前は日本人か? 俺の家には日本の家電製品があるぞ。サムスンやLGはよくできているな(サムスンもLGも韓国メーカー)」といわれたことがある。海外で日本人が街を歩いていてニーハオとよく声をかけられることからも、アジア人(中国人/韓国人)の区別がつきにくいのが、一般的なのもまた現実である。
腰の軽い中国系ブランドが、日本の軽自動車が世界進出する前に、K-CARとして中国系ブランドの軽自動車に近いサイズのクルマが世界市場を席捲していくことは、現実味を帯びてきているのかもしれない。