狭い交差点で活躍
誘導車がとくに重要になるのが、長大なトレーラーが狭い交差点を曲がる場面だ。車体が長ければ、左折や右折の際に対向車線側まで大きな空間が必要になることがある。誘導車は先に交差点へ入り、対向車や障害物の有無を確認し、安全に曲がれると判断すれば特殊車両へ連絡する。対向車がいる場合には、特殊車両側へ一時停止を助言し、対向車を先に通すといった対応を取る。
それでも大型車が通過するために対向車の停止や後退が必要になる場面もある。この場合、国土交通省のガイドラインは、誘導車が誘導棒などを使い、対向車に対して一時停止や後退などの「協力を依頼する」としている。ここが警察官との大きな違いだ。誘導車の合図は安全な通行を確保するためのお願いであり、警察官の交通整理と同じ法的な強制力をもつ指示ではない。
なお、赤い誘導棒や蛍光チョッキが、すべての誘導車に一律で必要な装備というわけではない。国土交通省のガイドラインでは、超重量・超寸法車両などで車外に誘導員を追加配置する場合、誘導員は安全確保のため蛍光チョッキを着用し、誘導棒を使用するとしている。
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だからといって、一般車が誘導を無視して特殊車両の横へ強引に進んでよいわけではない。大型トレーラーは急に進路を変えたり停止したりできず、交差点では車体後部の振り出しや内輪差も大きい。誘導車が停止や待機を求めている場面では、前方で大型車が道路幅を大きく使う可能性が高い。無理に割り込めば、接触事故や道路の完全な閉塞につながるおそれがある。国交省も誘導車の役割として、周辺車両への注意喚起を明示している。
また、特殊輸送の状況によって警察官が交通整理を行う場合は、その手信号や指示に従う必要がある。「誘導車」と「警察官」は似た役割に見えても、法的な立場は異なる。
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誘導車は一般車を強制的に止めるクルマではない。しかし、巨大な特殊車両が安全に通れるかを先まわりして確認し、周囲へ危険を知らせる重要な存在だ。道路上で誘導車から停止や待機を求められたら、まず速度を落とし、周囲を確認したうえで協力する。それが自分自身の安全にもつながるのである。