【試乗】高級な250、無敵の300に対してFJは? ランクル全モデル一気乗りで見えた「わんぱくな末っ子」の素顔 (2/2ページ)

250は高級で300は王者の貫禄! そして70とFJはプリミティブ!

 4ドアにして、ランクル70よりもひとまわり小さなボディも素晴らしい。とくに1840mmの全幅は、ランクルの押し出し感と使い勝手を両立する、本当に素晴らしいサイズ感だ。高い着座位置から見渡すフロントビューは気もちよく、ボンネットの四隅が見えてとても運転がしやすい。

 また、ホイールベースを2580mmと短く取ったことで、最小回転半径も5.4mに抑えられた。これは兄弟のなかで一番小さいのはもちろん、ジムニー・ノマド(5.7m)よりも小さい数値だ。

 オフロードコースでの印象は、ランクル70ばりのプリミティブさだった。

 ATレバーを「N」に入れ、副変速機を「H2」(後輪駆動)から「L4」(ローギア 4WD)へ。再びATレバーを「D」レンジに入れて走り出す。

 300や250のように「マルチテレインセレクト」をもたないFJの走りは、アクセルを踏むだけとシンプル。ぬかるんだ路面では積極的にアクセルを踏み込み、岩場はアイドリングのトルクでゆっくりと歩を進め、ときにコースを自分で目利きしながら積極的にオフロードを走る楽しさがある。

 それでも影ではブレーキLSDがトラクションを確保してくれるし、深い溝にはまったときにはデフロックが助けてくれる。ショートホイールベースかつストロークがファミリーで一番短いこともあり、大きなモーグルだと傾いたり滑るスピードが速くて驚かされるけれど、そのダイナミックさも魅力のひとつだ。

 比べてしまえば250は高級車の乗り味だった。電動パワステの操作感はじつに快適で、モードも「オート」に入れておけば勝手に路面状況に対応してくれる。

 さらに300はグレードが「GR」ということもあって、無敵の安心感だ。おそらくその床下では「E-KDSS」(電子制御可変スタビライザー)が操舵に正確性を与えながらもリヤサスを解放するなどめまぐるしく動いているはずだが、バネ上は驚くほどに挙動が落ち着いている。3.5リッターV6ツインターボの豊かなトルクを滑らかに路面に伝えて、何事もなく突き進む走りは完璧で面白みに欠けるかもしれないが、むしろその王者っぷりに惚れぼれした。

 一番似ているのはランクル70だったが、それでも違いは感じられた。

 より幅が広く車重も重たいはずの70は、試乗車が海外仕様の3ドアということもあるのだろうが、同じ油圧式ステアリングをもちながら、よりライトな操作感だ。対してFJは現代的なデザインの車内空間や、ストロークの違いもあって、ガッシリした乗り味だった。

 総じてFJの印象をまとめると、その走りは250よりもダイレクトで、70よりも少し現代的。今回のような足つきのよさを求められる場面だと多少動きはピーキーになるけれど、それゆえにオンロードでの扱いやすさが得られている。まさにその生産国であるタイの郊外路などでは、うってつけのタフさだと思えた。

 翻って日本では、それがちょうどよいスパイスになっていると感じた。簡素な作りゆえに価格を抑えることができ、デザインはキャッチー。そのギャップも楽しいランドクルーザーFJは、ランクル・ファミリーのわんぱくな末っ子である。


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