大胆すぎるのはデザインだけじゃない! 新生ジャガー第1号「TYPE 01」が見せた新時代への回答 (2/2ページ)

最新技術とクラフツマンシップの融合

 パワートレインには前輪に1基、後輪に2基を配する3モーター4WD方式を採用し、トルクベクタリングにより各輪への駆動力を精密に配分する。システム最高出力は最大1030馬力、最大トルクは1365Nmに達し、ジャガー史上もっともパワフルな市販車となった。0-100km/h加速は3.2秒をマークする。

 開発陣がとくに強調するのは、100-180km/h加速を4.0秒でこなす高速域での余裕、いわば「パワー・イン・リザーブ」の思想だ。圧倒的な性能を誇示するのではなく、必要なときに必要なだけの力を余裕をもって引き出せることこそ、ジャガーが長年大切にしてきた走りの哲学「Pace with Grace」に通じるという。

 前後重量配分は50:50とし、低速では最大6度の後輪操舵で取りまわしを高め、高速では同位相操舵に切り替えて安定性を確保。全長5.2m超のGTでありながら最小回転直径は11.5mに収まる。

 バッテリーは850Vアーキテクチャーと118kWhの容量を搭載し、WLTPモードで最長450マイル(約720km)の航続距離を見込む。最大出力350kWの急速DC充電を使えば、わずか13分で最大200マイル(約321km)ぶんの航続距離を追加することができ、10%から80%までの充電も約22分で完了するという。

 インテリアでは、車内を前後に貫く「セントラルスパイン」が4人の乗員それぞれに独立した居場所を作り出す。低いシートポジションと横に広がるダッシュボードに、ブラス(真鍮)を思わせる金属仕上げのアルマイト加工パーツを組み合わせ、物理スイッチをほとんど排したシンプルな操作系を実現した。

 ドライバー正面には単一ガラスの24インチOLEDディスプレイが配置され、主要機能は中央の7インチタッチスクリーンで直感的に操作できる。音響面では、フロントウインドウの幅いっぱいに広がる自動車業界初の「パノラミック・サウンドバー」を核とした没入型サウンドシステム「Jaguar Immersive Sound System」を採用し、乗員を包み込む音場を演出する。

 ボディカラー開発にも徹底したこだわりが光る。コンセプトカーで強い印象を残した鮮烈な色彩の路線をそのまま踏襲するのではなく、標準色には落ち着いたトーンを揃えつつ、世界60台限定の特別仕様「Chromatic Moments」では、画家イヴ・クラインの作品を想起させる「フレンチ・ウルトラマリン」や、英国の赤レンガを思わせる「ロンドン・レッド」といった専用色を用意。いずれもサテン仕上げの反射で引き締め、色の主張と造形美を両立させている。

 英国で設計・開発・製造されるTYPE 01は、ジャガーというブランドが「50年後、100年後も自分たちらしくあり続ける」ために導き出した、妥協なき最初の回答だ。咆哮するエンジンサウンドこそもたないものの、随所に宿る技術とクラフツマンシップへのこだわりは、紛れもなく新時代のジャガーらしさを物語っているといえるだろう。


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