棒が見えないスライド式まで!  トラックの「後ろの扉」がここまで進化していたなんて……ドライバーの負担を減らす画期的技術

この記事をまとめると

■トラックの荷台にはさまざまな扉や装備が存在する

■観音扉は使い勝手だけでなく見た目も進化している

■軽量なアルミ製アオリやパワーゲートも活用されている

荷物や作業環境に合わせて進化

 わたしたちの暮らしを支えてくれているトラック。さまざまなスタイルのものが存在しているが、もっとも馴染み深いのは宅配便などでも活用されている箱型のトラックだ。大切な荷物を雨の日でも濡らさずに運べる箱型トラックには冷蔵冷凍装置を備え付けたものが存在するなど、あらゆる顧客のニーズに対応している。

 そんな箱型のトラックは、基本的に後部の扉から荷物の積み降ろしを行う。もっともポピュラーな扉が、観音扉と呼ばれるもの。左右に1枚ずつ扉を装備し、ロックを解除したうえで引いて開閉するというものだ。そんな観音扉は、まず左側の扉から開けるというのが一般的となっている。

 左側の扉が右側の扉に覆いかぶさる形状となっているため、右側からでは開けられないのだ。これは、左側通行という日本の道路事情に合わせた構造となっているのだろう、そんな観音扉にもさまざまなスタイルのものが生み出されてきた。写真を参考にしながら、それぞれの利点を見ていきたい。

 まずは、ロックバーと呼ばれる棒が表面にセットされた、ごく一般的なタイプ。昭和の時代から愛されてきた観音扉の基本スタイルで、ロックを外して扉を開いてゆき、トラックの側面にセットされているフックで固定するというものだ。

 普通のパネルバンであればロックバーが左右1本ずつのものが多いが、冷蔵冷凍装置を備えた車両であれば、気密性や強度を高めるために左右2本ずつ、計4本装備するものもある。左右に1枚の扉を装備するのが一般的な観音扉なのだが、なかには3枚や4枚扉のものも存在する。

 通常の2枚扉だと開閉する際、左右に扉1枚ぶんのスペースを必要とするが、4枚扉にすると折りたたみながら開けることができるため、わずかな隙間しかなくても観音扉の開閉ができるようになるのだ。内側の扉だけで事足りる場合は、左右の隙間を気にしなくても開閉できる。少量の荷物を積み下ろしする場合にも便利だが、気密性は若干落ちる。

 そして、近年ではロックバーを隠すタイプも増えてきた。これはロックバーそのものを観音扉の内部に通したもので、ロック部分は観音扉の下部にセットされている。表面がフラットですっきりとした見た目になるため、ラッピングにも適した仕様となっている。さらに洗車もしやすいため、画期的な観音扉であるといえるだろう。

 さらにスライド式も現れてきた。これは観音扉と呼ぶか微妙だが、まずは通常通り扉を90度開け、回転させるのではなく前方へ押し出すというもの。このタイプであれば積み下ろしの際に左右のスペースを必要としない利点があるが、側面にレールなどが装備されるため、見た目を気にするひとには好まれないかもしれない。

 天井をもたない荷台は平ボディと呼ばれるもので、アオリという開閉式の扉が3方に装備されている。小型車であれば鉄製のアオリがセットされているのだが、開閉する際にかなりの力を要する。そのため、アルミブロックと呼ばれる軽量のアオリが人気だ。そしてカゴに入った荷物や重量物などを積み込む場合は、パワーゲートというリフト式の装備が重宝される。このように、荷物を運ぶトラックには数多くのスタイルやアイテムが存在している。

 トラックは観音扉やアオリを開閉するだけでも労力を必要とする。日々ハードワークに従事するドライバーの負担を軽減するためにも、より便利で快適な装備がこれからも開発されていくことを願うばかりである。


この記事の画像ギャラリー

新着情報