海外輸出が日本の中古車価格を押し上げる
ある新車ディーラーで3年落ちのトヨタ・カローラクロスを下取り査定したら、査定額として360万円になったとの話がある。いまどきは自社での中古車としての再販ありきの下取りだが、中古車として再販した時の利益を意識して下取り査定額は伸び悩む傾向があるなかでの360万円である。
これを中古車専業店や買い取り専業店へもち込めばさらに高い金額が設定されたことだろう。ウクライナ紛争が長続きしており、西ヨーロッパや日本、韓国などの新車が正規輸入できないロシアで、日本からの中古カローラクロスが大ブレイクしているのがその理由になっていると聞いたことがある。
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この傾向は個別の限られた車種の価格上昇だけにとどまらず、軽自動車も含めた中古車全体の相場を底上げしている。そのため、中古車らしいと感じる値ごろ感が出てくるのは初度登録から10年以上経った中古車になるとのことである。
たとえば、カリフォルニア州では年間平均で4万kmほど走行距離が伸びると聞いている。3年乗れば12万kmだが、目立った過走行というわけではない。一方日本での平均走行距離は1万kmを割り込んでいるといわれている。かつて日本の中古車人気の高いロシアでは、「日本での10万kmは慣らし運転のようなもの」といわれていたそうだ。海外に比べると走行距離が少なく、大切に乗っていることで、日本の中古車は世界で愛用されてきたのだが、それが近年ではさらに拡大してきているのである。
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日本に輸入されたドイツ系高級ブランド中古車も、為替相場も手伝い、とくに左ハンドル車両は程度もよいとのことで買い取られて日本から海外へ出荷されるようである。
「新車は高くてなかなか手が出せない」として中古車を検討しても中古車のほうが高いという印象が高まっているのが、いまの日本の中古車販売の実状というのは業界関係者のなかからも聞くことができる。中古車販売で新車販売や点検・整備の少なくなった利益を補おうと動いている新車ディーラーだが、すでに暗雲が垂れこんでいるように筆者は見ている。