なんじゃこりゃ!? ボディが「スケスケ状態」のVWビートルが約926万円で落札された驚愕の理由 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2026年8月のRMサザビーズオークションでビートルが約926万円で落札された

■ボディ全体を鉄細工で覆った著名なアーティストによる希少な作品のうちの1台であった

■走る芸術品としての価値も高く通常モデルを遥かにしのぐ価格での落札となった

ビートルが900万円以上でハンマープライス

 最近の海外オークション事情を確認しようと、RMサザビーズのリザルトを見ていると、1台のクルマが目に入った。2026年8月にアメリカで開催されたRMサザビーズのモントレー・オークションで落札された「1970 Volkswagen Beetle “Wrought Iron” by Rafael Esparza-Prieto $58,800USD」!

 ご存じのとおり、フォルクスワーゲン・ビートルといえば、グローバルで2100万台以上を販売した世界の大衆車。そんなビートルが5万8800ドル。これは、現在の円相場で換算(1ドル=157.5円換算)すると約926万円! 確かに初期モデルのコンディションがいいものや高性能なスポーツモデルなどは数万ドルで取り引きされることもあるが、これはそんな希少なモデルではなさそう……。確認しておかなければとRMサザビーズのサイトを開いた。すると、なんじゃこりゃ〜!

 じつはこのビートル、”走る芸術品”。1970年式のビートルをベースに、ボディ全体を鉄細工で仕立てた特別な1台だった。その最大の特徴は、一般的な自動車のボディパネルではなく、複雑な曲線を描く鉄細工で外装が構成されていること。細かな装飾が車体全体に施され、ドアには孔雀を思わせるような意匠も採用されている。自動車というよりも、まるで童話に登場する馬車のようなメルヘンな姿だ。

 このクルマを製作したのは、メキシコ出身の職人でありアーティストでもあるラファエル・エスパルサ=プリエト。自動車部品店の看板代わりとして鉄細工のビートルを製作すると、その独特な姿が注目を集め、1968年のメキシコ五輪ではフォルクスワーゲンから正式なプロモーション車両の製作を依頼されたそうだ。

 その後、フォルクスワーゲンは販促やディーラー展示などに活用するため、さらに18台の製作を依頼。エスパルサ=プリエトが手がけた車両は、最終的に23台が確認されているとのこと。つまり、今回の車両は単に珍しいカスタムカーなのではなく、限られた数しか存在しないアーティストの作品というわけだ。

 では、今回の落札価格は妥当なのだろうか。芸術的な価値は自分にはまったくわからないので、一般的なタイプ1(ビートル)の落札価格と比較してみた。クラシックカーの相場情報を集計するCLASSIC.COMなどでタイプ1の平均落札価格を調べてみると、約1万9000ドルあたりが相場らしい。単純比較すれば、今回の車両は平均の約3倍に達する計算。明らかに高額だ。


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