一時はトップ快走も一転……残り5分で起きた悲劇。第37回ロードスター耐久レースはWEB CARTOPチームの悲願ならず (2/2ページ)

終盤は過去最大級の波乱の展開に

 前日に開催された予選の結果、CT&WEB CTロードスターは13番グリッドからのスタート。全22台中の中団といったところだが、これはあくまでも耐久レース。ペースを確かめながら上を狙うには、この辺がちょうどいいかも、との楽観的な観測は、すぐに現実になる。

 第1走者は「徹底して燃費運転! 」といい残してマシンに乗り込んだ石田局長。フォーメーションラップからローリングスタートすると、快調に順位を上げていく。しかも、無線で読み上げられる周回ごとの燃費は、事前に想定したより良好な数字だ。どうやら、もっとエコランで様子見しているチームが多いようだ。

 スタートから40分、なんと13位から5位までジャンプアップした石田局長から、第2走者の古谷へドライバーチェンジ。ピットストップの間に8位まで順位を下げるが、ここから古谷が快進撃を見せる。見る見るほかのクルマをかわしてトップに追いつくと、ついにはオーバーテイク! なんと1位でピットに戻ってきたのだ。「速そうなクルマを見つけて、ペースメーカーにしたからですよ」と謙遜したが、この走りには中谷さんも目を細めた。

 不運だったのは第3走者の井上。ほかのチームとドライバー交代のタイミングが被った上、コース上では遅いクルマに詰まってしまうこともありペースが上がらない。中谷さん、石田局長、そしてチーム監督を務めるCARトップの三澤編集長が協議し、予定より早めのドライバー交代を指示。無線から返ってきた「ええっ、もうピットイン? マジっすか……」という悲痛な叫びもうなずける、4周でのバトンタッチとなった。

 第4走者は松本さん。今年はS耐やBMW&ミニレーシングで富士を走ったほか、スポーツランドSUGOではミニでの耐久方式のレースで勝利。このコースも、耐久レースの戦い方も熟知しているドライバーだ。それだけに、燃費を想定範囲に収めながらも着実に順位を上げ、ピットインで19位まで下げた順位を、18周の間に5位まで回復した。

 とはいえ、心配な点もある。走行中、計算上はまだ点かないはずの燃料の残量警告灯が光ったというのだ。「ウチだけじゃなく、どこも思った以上に燃料が厳しいレースになるかも」。

 その予想は、これまた当たってしまう。中谷さんが10周ほど重ねたあたりから、ガス欠のクルマが次々と現れはじめたのだ。コース脇には、力なく止まるロードスターの姿が続々と増えていく。ピットでは三澤監督が、周回ごとの燃費から推定される燃料の残量をリアルタイムで計算し、ペースの指示を飛ばす。

 やがて、中谷さんから「警告灯が点いた」との無線が。ロードスターの残量警告灯が完全に点灯するのは残り6リッター……との資料をもとに考えると、ペースを抑えれば70周前後でゴールできるはず。ほかのチームも極端にペースを落としているので、計算どおりなら表彰台、あわよくば優勝も狙えそうな計算だ。

「ついに悲願達成か!?」とチーム一同、にわかに色めきたつ。が、再び中谷さんからの無線。

「だめだぁ……」

 レース終了まで残り5分。67周目でCT&WEB CTロードスターは、ついに力尽きた。

 優勝チームの周回数は、レース前に予想していた70周。使い慣れないE20燃料の減り方さえ見極めていれば、可能性は十分にあったわけだが、それは同じくリタイヤした13台(コース上ストップで失格の1台を含む)も同様。その優勝チームでさえ、ガス欠してコースティングでチェッカーを受け、間も無く停止した……と聞けば、いかにギリギリの戦いだったかよくわかるだろう。

 今年もまた、優勝の2文字は遠かった。しかし、この経験はきっと今後に生きるはず。来年のスケジュールは未定ながら、間違いなく皆勤賞の記録を更新するであろうCT&WEB CTロードスターは、歓喜のシャンパンファイトにまた1歩近づいたはずだ、と思いたい。

 ただ、撤収作業中のピットで聞こえてきた、誰かのつぶやきが胸をざわつかせる。

「どのチームもある程度データは取れただろうし、今年リタイヤした強豪チームは、来年のハンデが実質ないんだよなぁ」

 CT&WEB CTロードスターの挑戦は、まだまだ長い道のりになる……のかもしれない。


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