「トヨタが売ったアメ車」に「スズキが作ったシボレー」!?  90年代に実在したGM×日本の「異端児」たち (1/2ページ)

この記事をまとめると

■GMはかつて日本の自動車メーカーと手を組んでいた

■トヨタからはGMの車両をベースとしたクルマを日本市場に展開した

■スズキはGMブランドへ車体を供給しお互いの国で販売していた

一時期国産メーカーはアメリカメーカーと協業していた

 世界最大級の自動車メーカーとして長い歴史をもつゼネラルモーターズ(GM)。そのGMが日本の自動車メーカーと深く手を組み、日本国内市場に販売されたモデルが存在した。トヨタ・キャバリエやトヨタ・ヴォルツ(ポンティアック・ヴァイブ)、さらにスズキとの共同開発車やOEMモデルなど、その関係は単なる「海外メーカーとの提携」にとどまらない。日米の自動車メーカーが互いの強みを生かした、興味深いクルマたちを振り返ってみよう。

 GMと日本の自動車メーカーの関係を語るうえで、まず注目したいのがトヨタとの提携だ。1980年代初頭、北米での現地生産を模索していたトヨタと、生産効率や小型車開発のノウハウを求めていたGMが接近。1984年、両社は50対50で合弁会社「NUMMI(New United Motor Manufacturing)」を設立し、カリフォルニア州フリーモント工場で生産を開始した。ここから始まった関係は、あとの日米合作車へと発展していく。

 その象徴ともいえるのが、トヨタ・キャバリエだ。1993年に合意された計画に基づき、GMが米国で生産していたシボレー・キャバリエをベースに、右ハンドル化など日本市場向けの仕様変更を施し、1996年からトヨタブランドで販売。生産はGMのオハイオ州ローズタウン工場で行われ、トヨタの販売網を通じて日本に導入された。

 2.4リッター直列4気筒エンジンを搭載し、アメリカ車らしいスタイリングを前面に打ち出した異色のトヨタ・キャバリエは、アメリカンカルチャーに詳しいタレントの所ジョージ氏をCMに起用するなど、プロモーションにも力を入れていたが、残念ながら商業的に成功とはいえなかった。

 しかし、GMとトヨタの関係はそこで終わらない。そのあとに登場したのが、トヨタ・ヴォルツである。ヴォルツは、GMとトヨタがコンセプトやデザインを共同で検討したモデル。トヨタが開発を担当し、GMがデザイン面などで協力。そしてNUMMIで生産され、日本へ輸出された。

 アメリカ市場においては、GMのポンティアック・ブランドからヴァイブ(Pontiac Vibe)として販売され、トヨタでは日本向けに「ヴォルツ」の名称が与えられた。つまり、同じ基本設計をベースに、GMとトヨタそれぞれのブランドで販売された兄弟車だった。


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