航空宇宙技術で空を飛ぶ
もうひとつが、スペースXの技術を応用した冷ガススラスターだ。宇宙機の姿勢制御に長年使われてきた仕組みで、クルマで動かすために新しいハードウェアと制御系をゼロから開発した。タイヤのグリップ限界の4〜5倍の力を生み出せるとされ、ガスを貯める炭素繊維強化の圧力容器は、車内の使える空間を削って押し込んである。トラックモードで展開するウイングは、人型ロボット「Optimus」のアクチュエーターで動くという。
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発表イベントでは、ジャンプ台のような傾斜を使わず、平地からそのまま宙に浮いて空中でロール回転する様子が披露された。スラスト仕様での加速テストでは、0-60mph加速で1秒を切る走行も実演している。マスク氏は、「安全性を最優先したクルマではないが、楽しさは10点満点で11点だ」と語った。
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外装デザインは、ロッキードの高高度偵察機「SR-71」と、ステルス戦闘機「F-35」から着想を得た。ヘッドライトは車体に隠れ、テールライトは横に細く伸びる。Thrustの白いボディ色は、宇宙機を紫外線や極低温から守るための技術に着想を得た塗装で、スモークガラスは宇宙服のバイザーを思わせる金色の色調だ。
室内は、手動の操作系と固定式のシートを採用し、マグネシウム、チタン、カーボンファイバーといった軽量素材を多用して車重を抑えた。Thrustには、ステア・バイ・ワイヤ用のヨーク型ステアリングと、中央のタッチスクリーン、前方のふたつの小型ディスプレイが並ぶ。クルマが運転手の意思に素早く応えることを狙ったという。
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日本でも、公式サイトで予約の受け付けが始まっている。対象はふたり乗りの公道向け「Performance」のみで、予約時の支払いは合計682万円。内訳は、予約手続き時の68万円と、10日以内に支払う614万円だ。ただし、これはあくまで予約に伴う支払いで、車両本体の価格は明らかになっていない。入金が確認された時点で予約が確定し、10日以内に支払いが完了しなければキャンセルになる場合がある。また、購入できるのは左ハンドル仕様のみで、提供状況は地域の法的要件によって変わると注釈されている。
前回のコンセプトカーの発表から9年越しに現れたのは、ファンで路面に吸いつきガスの噴射で空に浮くという、斜め上すぎる電動スポーツカーだった。価格も納車時期もわかっていないが、続報が気になるところだ。