この記事をまとめると
■初代NSXの思想を受け継いだレストモッド「JAS TENSEI」が発表された
■420馬力の自然吸気V6と6速MTを組み合わせフルカーボンボディで軽量化
■限定35台で価格は約1億6000万円からという希少な特別モデル
初代NSXがイタリアで「転生」
初代ホンダNSXが1990年に登場する6年前の1984年、トリノ・モーターショーに1台のコンセプトカーが展示されていた。ホンダのミッドシップ・コンセプト「HP-X」。デザインを手がけたのは、イタリアのピニンファリーナだ。NSXにつながるアイディアが、そこで試されていたという。
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そのピニンファリーナが、ふたたびNSXに向き合った。10月8日に発表された「JAS テンセイ(TENSEI)」は、イタリアのJASモータースポーツが開発した、初代NSXのレストモッドだ。車名は日本語の「転生」に由来する。JASモータースポーツは30年近くにわたってホンダとともにレース活動を続けてきた会社で、ピニンファリーナはエクステリアとインテリアのデザインを担当した。
レストモッドとしての仕上がりは本格派で、見た目を整えるだけではなく、アーキテクチャーそのものに手が入った。ホイールベース、トレッド、スタンス、前後のオーバーハングなど、各部のディメンションを変更。オリジナルよりも低くワイドなシルエットに仕上げている。
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エクステリアは、初代NSXのエッセンスを残しながらもアップデートされている。リトラクタブルヘッドライトは健在で、灯体はLEDにアップデートされ、その下には3連のLEDによるデイタイムランニングライトが入る。サイドのエアインテーク、ボディと一体化したリヤウイングといったディテールにも注目だ。そのうえでリヤフェンダーにボリュームをもたせ、よりアグレッシブな印象を加えている。
インテリアは、初代NSXが重視したドライバー中心のレイアウトを受け継ぎ、不要な要素を省いたシンプルな構成だ。メーターはデジタルで、メーターフードの左右にスイッチ類をまとめたポッドを置く。ライトグレーのレザーシートに、ステアリングの12時位置のマーカーやシートベルト、ステッチにはボディ色に合わせたブルーをあしらう。
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心臓部は、初代NSXに搭載されていたものベースに、英国のレーシングエンジンコンストラクター、ジャッドがチューニングしたV6エンジンが選ばれた。排気量は3.5リッターに拡大され、オイルシステムはドライサンプ化。最高出力は420馬力を発生し、トランスミッションは6速MTを組み合わせる。
このエンジンはホンダ伝統の可変バルブタイミング機構「VTEC」をあえて外しており、固定タイミングにしたという。最高出力は8300回転で発生し、レブリミットは8500回転。フルカーボン製のボディによって乾燥重量は1250kgに抑えられ、足まわりにはKW製の電子制御ダンパーとブレンボのブレーキを備えるとされる。
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テンセイは、ミラノ近郊アルルーノにあるJASモータースポーツのアトリエでごく少数が生産される。ビスポークの仕様には、トリノ近郊カンビアーノのピニンファリーナのアトリエもかかわる。報道では、限定35台で、ドナーカー(ベースの初代NSX)は別にオーナーが用意する方式。車両価格は88万ユーロから(邦貨換算約1億6000万円)とされている。
1984年にイタリアで種がまかれたNSXの物語が、2026年にふたたびイタリアで花開いた。VTECを外した高回転のNA V6に、6速MT。入手の難易度は極めて高いが、ファンにとってはたまらない1台だろう。