旧車デビューは「直せるか」で選べ! 買って後悔しない維持しやすい名車5選 (2/2ページ)

メーカーの尽力でいまでも維持できる

3)マツダ・ロードスター(NA型)

 1989年のデビューと同時に世界中の自動車ファンを虜にしたNA型ロードスターは、「人馬一体」というコンセプトのもと、軽量・コンパクト・FRという三拍子がそろったオープン2シーターです。デビューから35年以上が経過した現在でも、その人気は衰えるどころかむしろ年々高まっているほど。街なかで、いまだに2ケタ&ワンオーナーカーを見かけるほど、古いクルマのなかでは遭遇率が高いモデルといえます。

 パーツ入手性という観点から見た場合、NA型はマツダの手厚いサポートによって国産旧車のなかでも恵まれた環境にあります。マツダは純正パーツ再供給プログラムを展開しており、通常であれば生産終了後10〜15年で欠品が相次ぐような、ボディパネル、内装トリム、ゴム類、電装部品などが継続的に再生産・供給されています。また、純正・純正互換品の充実に加え、アフターマーケットも非常に活発です。NA型はサスペンション・エンジン・ブレーキといった走りにかかわる部品を中心に、多数のメーカーから専用品がいまも開発・販売されています。世界累計販売台数の多さが需要を下支えしており、国内はもちろん欧米のパーツメーカーからの供給ルートも確立されています。

4)マツダ・ロードスター(NB型)

 NA型の後継として1998年にフルモデルチェンジを受けて誕生したNB型ロードスターは、NAの基本骨格を継承しながら安全性・快適性・動力性能を向上させたモデルです。フロントに大型バンパーと丸目4灯のデュアルヘッドライト(前期型)を採用したビジュアルは、NAとは異なる愛くるしさをもちながらも、同じ「人馬一体」の走りを追求したクルマとして世界中のファンに愛され続けています。アフターマーケットについても、NA型同様に充実しています。足まわり・エンジン・ブレーキといった走行系パーツはもちろん、幌(ソフトトップ)の張り替え品も国内外から多数供給されています。古いオープンカーとしては、維持に必要なパーツは比較的そろえやすい部類に入るモデルといえます。

 NB型を選ぶうえでのポイントは、前期型(NB1:1998〜2000年)と後期型(NB2:2000年〜、NB3・NB4を含む)でエンジンや内外装の仕様が異なる点です。後期型はヘッドライトが変更され、エンジンも改良されています。どの年式・仕様を選ぶかによって、パーツの互換性や入手しやすさに若干の差が生じますので、購入前に専門ショップに相談しておくと安心です。

5)トヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86型)

「ハチロク」の愛称で親しまれるトヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86型)は、国産旧車のなかでもパーツが手に入りやすい部類といえます。その最大の理由は、国内外に根強いファン層が存在し続けていることにあります。

 アニメ「頭文字D」の影響もあって若いファンが増え続けているほか、モータースポーツやドリフトの世界でも現役で活躍している個体も数多く存在します。その結果、専門のアフターパーツメーカーがいまも新規開発を続けており、純正品が欠品していてもリプロダクション品や強化品で代用できる範囲が広いのです。新たなパーツメーカーが参入するなど、パーツ環境は現在も改善が進んでいる珍しいモデルといえます。アフターパーツメーカーが独自にボディパネルを生産するなど、オリジナルにこだわらなければ相応の選択肢がある部類のクルマといえるでしょう。

●まとめ:「パーツが手に入る」と「安く手に入る」は別の問題

 今回ご紹介した5台は、旧車のなかでも比較的パーツが手に入りやすいモデルですが、ひとつ重要なことをお伝えしておく必要があります。それは「パーツが入手できる」ことと「安く手に入る」ことは、まったく別の話だということです。

 旧車は新車と違い、年式相応の消耗が各部に進んでいます。パーツが手に入るということは「直せる」ということであって、「直さなくていい」という意味ではありません。購入後にゴム類・ホース類・電装系のリフレッシュをまとめて行えば、一度に数十万円の出費になることも珍しくありません。さらに旧車は車検のたびになんらかの整備が必要になることが多く、維持費は現行車に比べてかさみやすい傾向にあります。

 また、中古パーツの高騰が悩みの種となっているオーナーも少なくありません。ネットオークションでも高額で出品されて、一般のユーザーでは手が出せないような相場で取り引きされているパーツも増えてきています。とくに、所有歴が長いオーナーにとっては「ワケわからん」と嘆きたくなるほど高騰してしまっているのが現状です。

 現代のクルマと比較して、壊れる確率が高い、パーツの入手困難という問題に直面する、頼れる主治医が見つからない、維持費が高い……など、旧車およびネオクラシックカーならではの「避けて通れない問題」があることも事実です。

 これから旧車およびネオクラシックカーを手に入れるとしたら、それ相応の「覚悟」が求められることを認識しておく必要がありそうです。


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松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
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