新車はおろか中古車も買えない……日本で静かに急増する「マイカー難民」の絶望的な現実 (2/2ページ)

日本でもクルマが手に入りにくくなっている

 ただこれがアメリカの話ではなく、日本でも起こりつつあるように見える。日本では新車価格の高騰よりも中古車価格の高騰がより極まっている。あらゆる車種、あらゆる年式の中古車が、海外輸出を目的とするバイヤーによって買い取られ、出荷されている。状態のいい物件はたいがい海外へ高値で取り引きされ、輸出されている。この影響というか、すでに海外出荷向けの取り引き相場がそのまま国内の中古車市場にも影響を与え、国内中古車市場価格も底上げが起こっているのである。

 筆者の自宅近くには、初度届け出から13年超で走行距離が10万kmを超える激安軽中古車を専門に扱う店がある。数年ほど前までは車両価格で数万円程度の物件が多かったのだが、今や最低でも15万円前後のプライスボードがついている。新車を買うには予算が足りないから中古車へとなっても、予算に見合う中古車は程度がそれほどよくなく、割高感が強まるのが今の中古車市場となっている。日本でも中古車すら買えないという状況が、静かに浸透しようとしている。

 アメリカよりは公共交通機関が整備されているとはいわれるが、より充実している都市部ですら、路線バスでは減便や路線廃止が相次いでいる。諸外国のようなライドシェアシステムは存在せず、タクシーは贅沢な乗り物となっている。

「カーシェアリングがあるじゃないか?」との声もあるが、筆者最寄り駅前にある某大手カーシェアリングステーションには、確かに5台ほど車両が用意されているのだが……。平日は法人契約している近隣企業が営業活動用に車両を使っているようで、車庫にはほとんどクルマが存在せず、利用したくても利用できないことは近所でも有名な話となっている。

 個人だけではなく、営利活動をしている企業すらそれに必要なクルマをもてなくなってきているのが、今の日本の現状なのである。そろそろ日本も、マイカー難民の増大を意識した社会インフラの再整備というものを考えたほうがいいかもしれない。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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