トラックの荷台にある「木製パレット」と「樹脂パレット」は何が違う? 物流現場で使い分けられる合理的な理由

この記事をまとめると

■物流シーンで欠かせない用品がパレットだ

■木製パレットはワンウェイ輸送向きで安価かつ修理も簡単にできる点がメリットだ

■樹脂製は強度が高く耐久性も高いが高コストな点がデメリットとなる

木製と樹脂製の違いとは

 物流倉庫やトラックの荷台で、荷物をまとめて運ぶために使われるパレット。フォークリフトで大量の荷物を一度に動かせる便利な道具だが、その材質には木製と樹脂製がある。見た目や使い方は似ていても、価格や耐久性、衛生面には違いがあり、物流現場では用途に応じて使いわけられている。では、どちらが優れているのか。じつは単純に比較できるものではなく、それぞれに長所と短所がある。

 まず価格面で有利なのが木製パレットだ。国内で一般的な1100mm四方のサイズでは、新品で1枚2000~3000円台がひとつの目安となる。一方、樹脂パレットは安価な製品なら2000円台からあるものの、高強度タイプなどでは1枚1万円を超える場合もある。仕様によって価格差は大きいが、一般的には木製のほうが初期費用を抑えやすい。大量に購入する場合には、この差が大きなコストになる。

 耐久性にも違いがある。木製は重量物を支える強度があり、板が割れたり一部が破損したりしても、部材を交換して補修できる利点がある。ただし、繰り返し使用すると、釘の緩みや板の割れ、ささくれなどが発生する。雨や湿気によって木材が傷み、反りや腐食が生じることもあるため、保管環境には注意が必要だ。

 これに対して樹脂パレットは、主にポリプロピレンやポリエチレンなどのプラスチックで作られている。水分を吸収しにくく、腐食しないため、繰り返し使う用途に適している。寸法のばらつきが少ないことも特徴だ。ただし、強い衝撃によって割れることがあり、破損した際の補修は木製ほど容易ではない。また、樹脂の種類によっては低温で衝撃に弱くなるため、冷凍倉庫などでは対応した製品を選ぶ必要がある。

 衛生面では樹脂製が有利だ。木製は表面に水分や汚れが残りやすく、条件によってはカビや虫が発生する。樹脂製は水洗いしやすく、木くずやささくれも出ないため、食品工場や医薬品を扱う施設など、清潔さが求められる場所で多く使われている。ただし、樹脂製でも汚れが付かないわけではなく、定期的な洗浄や点検は必要となる。

 重量については、必ずしも樹脂製が軽いとは限らない。一般的な1100mm四方のパレットでは、木製が15~30kg程度、樹脂製が10~25kg程度の製品もあるが、構造や耐荷重によって大きく変わる。軽量タイプの樹脂製なら取り扱いやすい一方、高強度タイプでは、木製より重くなることもある。材質だけでなく、実際の製品重量を確認することが重要だ。

 使いわけを考えるうえでは、輸送方法も関係する。荷物を届けた先でパレットを回収しないワンウェイ輸送では、購入費用を抑えやすい木製が適している。一方、同じ拠点間を繰り返し往復する輸送では、樹脂製の耐久性が生きる。また、海外向けの木製パレットには、植物検疫上の規則に基づく熱処理などが必要になる場合があるが、樹脂製は通常その対象とならない。

 物流現場では購入価格だけでなく、何回使えるか、修理や洗浄にどれだけ費用がかかるかも重要になる。木製は安価で補修しやすく、樹脂製は衛生性と繰り返し使用する際の安定性に優れる。どちらを選ぶかは、荷物の種類や輸送回数、保管環境によって決まるのである。


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