この記事をまとめると
■D-SPORTはダイハツと密接なかかわりをもつモータースポーツブランド
■SPKという部品・用品メーカーがダイハツと共同でスタートした
■モータースポーツ参戦やライセンス競技会開催などその活動は多岐にわたる
ダイハツ、モータースポーツとくればD-SPORT
ダイハツ車のチューニングパーツを手掛けているDスポーツ。ダイハツの直接的な子会社と思う人もいるかもしれないが、じつはSPKという自動車や産業機械の部品・用品会社が行っている事業で、SPKとダイハツに直接的な資本関係はない。なぜ、メーカー傘下でないDスポーツがダイハツワークスのように存在しているのか? Dスポーツについて改めて見てみよう。
Dスポーツが立ち上がったのは2002年、初代コペン発売の直前であった、2002年の東京オートサロンでのことだ。この会場で、ダイハツとSPKは共同記者会見を行い、「D-SPORT」ブランドを立ち上げることを発表した。
初代ダイハツ・コペンのフロントスタイリング画像はこちら
コペンはダイハツにとってひさびさのスポーツモデルであった。このモデルの登場のタイミングで、スポーツパーツブランドを立ち上げたいという思いがダイハツとしてもあったそうだ。そこでSPKへ打診したところ、SPKもそれに魅力を感じ、D-SPORT誕生となったという経緯だ。
そもそも、なぜ資本関係がないのにそのような繋がりが? という疑問もあるかもしれない。かつてダイハツがワークスモータースポーツ活動を行っていた際に使用していたDRSの名を冠する競技系パーツをSPKは販売していたこともあり、もともと関係性はあったのだ。
DRSが手がけたダイハツ・シャレードのラリーカー画像はこちら
ちなみにD-SPORTの「D」はDAIHATSUの頭文字ではなく、英語で「する」や「行う」の意味をもつDoの略だ。Do-SPORT、スポーツする……そんな思いが込められたネーミングとなっている。
また、D-SPORTはモータースポーツにも初期から積極的に参戦している。2003年のK4-GP FUJI1000km耐久への参戦を皮切りに、K4-GPへの参戦を積極的に行い、耐久というフィールドでマシンとパーツを鍛え上げていった。コペン登場をキッカケとして誕生したD-SPORTであるが、コペンに限らずさまざまなダイハツ車でのモータースポーツ参戦やパーツ開発を実施している。
初期からエッセやソニカなどでK4-GPに参戦しているし、近年はミライースやロッキーといったモデルでのラリー参戦にも積極的だ。
ミライースとロッキーのラリーカー画像はこちら
さらに、ダイハツ車でモータースポーツを楽しむ場の提供も行っている。ひとつにはタイムトライアル競技のD-SPORTカップを開催していて、現在は「D-SPORT&DAIHATSU Challenge Cup」として開催中。コチラでは国内Bライセンスを取得することができる。
また、「D-SPORT & DAIHATSU Circuit Trial」では国内Aライセンスを取得することが可能だ。イニシャル&ランニングコストが安い軽自動車を中心としたダイハツ車がメインだからこそ、モータースポーツへのコスト的なハードルが低くなる。D-SPORTの取り組みは、まさしくモータースポーツの裾野を広げる取り組みといえるだろう。
D-SPORT&DAIHATSU Challenge Cupのようす画像はこちら
現在、GRとタッグを組んでのモータースポーツ活動も積極的にダイハツは行っているが、それはここまで紹介してきたD-SPORTなしでは起こりえなかったことだ。また、その歴史を考えると、コペンが誕生したことによる功績は大きいといえる。歴史を長い目で見れば、コペンの誕生がD-SPORTを生み出し、エントリーモータースポーツを活発化させたという見方ができるかもしれない。