この記事をまとめると
■日本中を駆けまわり物流を支えるトラック
■走行距離が200万kmに達する個体もあるという
■今回はトラックに多い故障事例について解説する
エンジンやクラッチ関係の故障が多い
物流を支えるトラックは一般的な乗用車よりも頑丈に作られているとはいえ、走行距離が比べ物にならないほど多いケースもある。乗用車なら10万kmだと走行距離は多い方だというイメージがあるだろうが、トラックの場合は200万kmという車体もあるくらいだ。こうした飛び抜けた走行距離を走れるのは、高い運転技術と日頃のメンテナンスを怠らない努力の賜物だが、それでも機械である以上はトラブルが起こるのは致し方ない。そこで今回はトラックの故障にスポットを当ててみたい。
トラックの故障のなかでもっとも多いといわれているのがエンジンブローだ。走行距離と稼働時間が長いトラックは、乗用車よりもマメにメンテナンスをする必要がある。ひと口にエンジンブローや故障といってもその原因や症状はさまざまで、ピストンの焼き付き、クランクシャフトの損傷、シリンダーブロックの亀裂、ターボブレードの破損、タイミングベルト切れ、オーバーヒートなどがある。トラックは10年以上の長期間にわたり使用されることも多いため、それなりの手間をかけてメンテナンスを行いながら使用していくというのが常識ともいえる。
トラックのエンジンのイメージ画像はこちら
エンジン系トラブルに次いで多いのがクラッチ関係の故障だ。いまではオートマやセミオートマのトラックも増えたが、大型トラックの場合は、マニュアルミッションがいまだに多い。そのため、クラッチの摩耗による故障や破損は少なくない。
さらに、オートマやセミオートマであっても、重量物を運ぶことが多いトラックにとってミッションやクラッチは負担がかかる部分でもあるため、故障がいつ発生するかはわからないが、前兆があるので紹介していこう。マニュアルトランスミッションの場合はギヤが入らない、または入りづらい、変速時にギヤ鳴りがする、エンジン回転数が上がっているのにスピードが出ないなどが、故障の前兆だ。
トラックのAT画像はこちら
オートマなら走行時に異音がする、ガタつきや振動があるなどの症状が出ることもある。ATF(オートマチックトランスミッションフルード)の不足や汚れ、トルクコンバーターの故障などが考えられる。