モータースポーツにオールシーズンタイヤを投入の驚き! グッドイヤーが「フォーミュラジムカーナ」に100本ものタイヤを協賛するワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■フォーミュラジムカーナのRd.2が開催

■Rd.2はグッドイヤーがタイヤを供給した

■フォーミュラジムカーナクラスはイーグルF1 SPORT、女子クラスはベクター4シーズンを装着

新卒を採用しないグッドイヤーがなぜフォーミュラジムカーナに?

 4年生大学の自動車部を中心に、短大や専修学校、専門学校などの自動車部が参戦可能なジムカーナ大会、「フォーミュラジムカーナ」。2023年にスタートしたこの大会は、自動車メーカー、タイヤメーカー、ホイールメーカーなど各種パーツメーカーなどが協賛し、車両からパーツに至るまですべて大会側が用意。参加する学校は、わずか8000円のエントリー料こそ支払うものの、宿泊に食事、交通費まで支給されるという超好待遇で本気のジムカーナに挑戦できるというオイシイ内容なのだ。

 もちろん参加にはハードルがある。エントリーシートによる書類選考、シミュレーターによるタイム争いを経て、晴れて参戦が可能になる。競技はフォーミュラジムカーナクラスと女子クラスにわかれ、フォーミュラジムカーナクラスは今シーズンから新車で導入されたトヨタGR86(AT)、女子クラスは日産オーラNISMOで闘う。

GR86のリヤイメージ

 2025年は全4戦が行われ、Rd.1〜Rd.3は予選ラウンド。フォーミュラジムカーナクラスはそれぞれのラウンドに参戦した自動車部のなかで、上位6校がRd.4の決勝ラウンドに進めるという仕組みだ。女子クラスは個人戦となる。

 さて、前述したとおり、フォーミュラジムカーナは協賛企業により成り立っているのだが、なぜこうした学生の大会に協賛するのか? それは普段なかなか接点のない、企業と学生が生の声をかわすことができる、貴重なコミュニケーションの場として活用できるためだ。さらに単なる情報交換だけではなく、人材発掘の場という側面ももっている。学生は、興味があれば気軽に企業の仕事内容や採用の情報を聞くこともでき、企業もまた学生の素顔や本音を見たうえで採用活動をすることができるのだ。

 そうしたフォーミュラジムカーナRd.2が、6月28-29日に福島県のエビスサーキットで行われた。基本的なパーツは1シーズンをとおして同一企業から供給されるが、タイヤに関してはそれぞれのラウンドで異なるブランドが用いられる。Rd.2では日本グッドイヤーが提供した。今回は20の自動車部がエントリーし、女子クラスが3台を使用するため、100本近いタイヤを用意したことになる。これには相当なコストがかかることは、容易に想像がつく。なぜそうまでしてフォーミュラジムカーナに協賛するのか?

フォーミュラ・ジムカーナのグッドイヤーブース

 話を聞くと、日本グッドイヤーは新卒採用は行っていないとのこと。それゆえ、前述した「リクルーティングの場」ということは考えていないのだという。元々トヨタから誘いを受け、若者に対してモータースポーツを通じてクルマへの感心をもってもらい、それによって今後の自動車業界の発展を促す、そうした大義に共感して参加したとのこと。とはいえ、いまの若者が何を考えているのか、どんなものに興味関心をもっているのかといった、情報収集としても有意義に活用しているのだそうだ。

 今回の提供タイヤは、フォーミュラジムカーナクラスのGR86がイーグルF1 SPORT。イーグルF1ブランドのなかではもっともコンフォート寄りなタイヤで、グリップもGR86の標準タイヤであるミシュラン・プライマシーに近いものであるそう。モータースポーツといえば、よりグリップが高いほうがよさそうなものだが、このタイヤの選択はあえてだという。タイヤに頼るのではなく、たとえばアクセルを雑に踏めば簡単にリヤが出るといったグリップのタイヤを設定することで、運転の技術で勝負してほしいという思いなのだ。

GR86に装着されたグッドイヤーF1 SPORT

 実際に外から走るクルマを見ていると、コーナー立ち上がりなどのアクセルワークに繊細さが求められるようで、クルマの姿勢で、ミスやそもそもの腕の差がハッキリとわかる。

ジムカーナで走行するGR86


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石田貴臣 ISHIDA TAKAOMI

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