アルピナがBMWへ……だったら違うの作ろ! アルピナを率いていた「ボーフェンジーペン」がM4をベースに作った「ボーフェンジーペン・ザガート」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■アルピナの商標権はBMWに2025年末をもって譲渡される予定だ

■アルピナを率いていたアンドレアス・ボーフェンジーペンは新たな車両を開発する

■「ボーフェンジーペン・ザガート」はBMW M4をベースにした意欲作だ

アルピナは次のステージへ

 アルピナの商標権がBMWに譲渡されるという衝撃的なニュースが伝わったのは2022年3月のことだった。はたしてBMWは今後、アルピナにどのような未来像を描いているのか。

 それに関する情報は現在の段階では正式な発表はないものの、メルセデス・ベンツにおけるメルセデスAMGとメルセデス・マイバッハのように、それぞれ究極のパフォーマンスとラグジュアリーをカスタマーに提供するためのサブブランドとして、BMWはこれまでのMとアルピナを使いわけるプランを持ち合わせているのではないかというのが一般的な予想である。

 アルピナにおける車両開発と生産は、このような事情から2025年末に終了する予定だが、これまで同社を率いてきたアンドレアス・ボーフェンジーペンは、もちろん高性能でラグジュアリーなモデルを市場に投じることを継続する意思を固めていた。そのために新たに設立されたのが、その名もボーフェンジーペン社で、その記念すべき第一作となるのが、ここで紹介するスーパーGTの「ボーフェンジーペン・ザガート」だ。

 はたしてそれはどのようなモデルなのだろうか。さっそくその概略を紹介していこう。

 ボーフェンジーペン・ザガートというニューモデルの解説は、やはりその美しく、またダイナミックなエクステリアのデザインから話を始めなければならないだろう。ネーミングにも堂々と掲げられているとおり、それはイタリアのミラノに本拠を構えるザガートによって生み出された造形で、流麗なクーペボディには、ザガートの伝統的なアイコンであるダブルバブルルーフも採用されている。

 ボディ全体から受ける印象は、まさに美の極致ともいうべきもの。同時に個性的なフロントマスクや前後フェンダーからは、走りに対する期待感も大いに高まる。

 かつてのアルピナは、BMWのプロダクションモデルが持つデザインを最大限に尊重し、さらにエアロダイナミクスを向上させるためには控えめとも感じられるモディファイを施すのが常だったが、それと比較すると、ボーフェンジーペン・ザガートのデザインは自由かつ独自性に溢れている。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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