この記事をまとめると
■2014年から2024年まで販売されたランボルギーニ・ウラカン
■5.2リッターV10の4WDモデルを皮切りにさまざまなバリエーションが登場した
■ランボルギーニ・ウラカンを振り返る
10年以上にわたってファンから愛されたウラカン
ランボルギーニから新型車の「テメラリオ」がリリースされたことで、これからさらに身近な存在となっていくことが予想されるモデルが、2014年から2024年まで販売された「ウラカン」だ。今回はこのウラカンの約10年間にわたる進化の歴史とその魅力を振り返ることにしたい。
前作の「ガヤルド」に続いて、V型10気筒自然吸気エンジンを搭載したウラカンが、ワールドプレミアされたのは2014年3月に開催されたジュネーブショーでのことだった。ウラカンというネーミングがファイティングブル、すなわち闘牛の名に由来していることは、ランボルギーニのファンならば誰もが知るところである。
2014年のジュネーブショーでデビューしたランボルギーニ・ウラカン画像はこちら
ウラカンのファーストモデルとなったのは「LP610-4」だ。そのボディデザインは、当時ランボルギーニのチェントロスティーレ(デザインセンター)でチーフ職にあったフィリッポ・ペリーニによるもの。日本の折り紙に着想を得たというそのスタイリングは、ガヤルドのそれよりもさらに洗練された印象をもち、そしてもちろん優秀なエアロダイナミクスを誇るものだった。
ランボルギーニ・ウラカンLP610-4の俯瞰フロントスタイリング画像はこちら
ミッドに搭載された5.2リッターのV型10気筒エンジンが発揮した最高出力は、車名にも示されているとおり610馬力という数字で、これにランボルギーニとしては初採用となった、デュアルクラッチ式7速ミッション、ランボルギーニ・ドッピア・フリッツィオーネ(LDF)を組み合わせたことも、ウラカンのデビュー当時には大きな話題だった。
駆動方式は電子制御多板クラッチをセンターデフに用いたフルタイム4WD。それによってウラカンは、高速走行やコーナリング時に、圧倒的なスタビリティを感じさせるモデルへと仕上げられていたのである。
アダプティブ・ネットワーク・インテリジェント・マネージメント(ANIMA)と呼ばれるドライブモードの総合制御機能が搭載されたのも、ウラカンのメカニズムを解説するうえでは見逃せないポイント。ドライバーは、ステアリングホイール上にレイアウトされるANIMAのスイッチを操作することで走行状況に応じた、そして自分自身の好みに合うベストなパワートレインとシャシーのセッティングを選択することができた。
ランボルギーニ・ウラカンのインテリア画像はこちら
そのウラカンには、デビュー以降さまざまな派生モデルが誕生していくことになる。2015年にはガヤルド時代にも人気だったオープン仕様の「LP610-4スパイダー」が追加設定され、それはとりわけアメリカ市場を中心に高い支持を得るに至った。
ランボルギーニ・ウラカンLP610-4スパイダーのサイドビュー画像はこちら
ちなみにこのスパイダーのウエイトは、クーペ比でプラス120kg。610馬力というパワーは、もちろんこのウエイト増を負担するに十分なものだった。