セッティングが決まらずに挑んだ「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2025」第5戦! 88号車の井口が3位入賞で逆転年間チャンピオンも見えてきた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2025年9月6〜7日に「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2025」第5戦が開催された

■台風の直撃により各チームともに準備不足のまま予選・決勝に臨んだ

■88号車の井口が3位入賞を果たして年間ランキングも2位に浮上した

難しいコンディションのなかBRZの井口が3位表彰台を獲得

 9月6〜7日にかけて、静岡県の富士スピードウェイで「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2025」の第5戦が開催されました。

 プロフェッショナルシリーズには、TeamTakutyの3台のBRZが参戦しました。クラブマンシリーズには22号車の杉村 悟、38号車の松田大輝、140号車の浦野 歩、335号車の岡崎 遙、555号車の岩崎史晃と、今シーズン最大となる5台のBRZがエントリー。

 38号車の松田と335号車の岡崎は初めてTGR GR86/BRZ Cupに参戦ということで、徐々にBRZの参加台数も増えています。

台風に翻弄された練習走行と占有走行

 TGR GR86/BRZ Cupでは、サーキットを一般の方も走れるスポーツ走行枠のなかで練習を重ねるチームも多く、今回は早いチームで水曜日からサーキット入りして練習走行を重ねていました。

 TeamTakutyは木曜日のスポーツ走行とTGR GR86/BRZ Cup専用の走行枠を使ってマシンのセットアップを詰める予定でした。しかし、木曜日の朝一番のスポーツ走行こそドライで走ることができましたが、その後の複数の走行時間はことごとく雨。なかなか思うようなセットアップができずに終了します。

 金曜日はTGR GR86/BRZ Cup専用の走行時間が用意されていましたが、この日の走行枠は30分の1本のみ。というのも、今回のTGR GR86/BRZ Cup第5戦富士は、「2025年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」と併催となっており、そのほかにもロードスターカップ、ネオヒストリックカーレース、BMW/MINIレースなど、多くのカテゴリーが併催となっていました。そのため、各レース用に専用の走行時間が設けられていたため、このようなスケジュールとなっていました。

 さらに、レースごとにさまざまなタイヤが使われていて、その度に路面が変化する状況が続きます。しかも、台風の影響でコースが川のようになったり砂や泥の流入があったりと、走行ができるような状況ではありませんでした。それでもプロフェッショナルクラスが走る夕方の時間には台風も通過し、なんとか走行を行うことができました。

 複雑な路面コンディションとセットアップ不足のため、一体誰が速いのかわからない状態のまま翌日の予選を迎えることになりました。

台風一過のなか気温上昇の予選

 土曜日は台風一過で涼しくなるかと思いきや9月なのに猛暑に逆戻り。気温も高く路面温度もどんどん上昇していきます。このレースウイーク台風の影響でほとんどドライ路面を走っていない、かつ新品タイヤの確認もできていない、そんななかで予選が開始されます。

 わずか15分の予選時間で、88号車井口と87号車久保は予選開始8分後のコースイン。その後しばらくして残り時間4分で89号車奥本が動き出してタイムアタックを行います。

 このTGR GR86/BRZ Cupでは、予選15分のなかで先に走行を開始するグループと後から走行を開始するグループに別れることがありますが、後から走り出すマシンが多くなることがほとんどです。これは、先に走った車両のタイムを見てから走れるためと、路面にわずかでもラバーが乗っていた方がタイムが出やすいためです。

 そのなかでも井口と久保は先に動き出しタイムを刻みます。最終的に31台のマシンがアタックしたなかで、井口は5番手、久保は14番手、奥本は11番手で予選を終了します。

 井口・久保・奥本は「雨が降ったせいで路面のラバーは流れてしまい、思った以上に路面のグリップがなくて滑る感覚でした。ニュータイヤのアタックもできなかったので、空気圧をどこに持っていくのかも悩んだほどです」と予選を振り返りました。


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