ネクセンのオールシーズンタイヤがバージョンアップ
9月でも記録的な暑さやゲリラ豪雨などまるで夏のような気候が続いた今夏。暦の上ではもう秋になる。「食欲の秋」「読書の秋」といわれるように、秋は過ごしやすく何かに集中するのに適した季節。では、冬用タイヤについて考え始めるのにもちょうどいいタイミングではないだろうか。
今回紹介したいのは、ネクセンタイヤから10月に発売されるオールシーズンタイヤ「N-BLUE 4SEASON2」だ。全天候での安心感に高速安定性を兼ね備えた、最新のアクティブ・オールシーズンタイヤがいよいよ日本に登場する。
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ネクセンタイヤとはどんなタイヤメーカーなのか?
いま大変革を迎えている自動車業界において、高い技術力により注目を集めているタイヤメーカーが、グローバルブランド「ネクセンタイヤ」だ。
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1942年にフンアゴム工業としてスタートした同社は、1987年にはミシュラン社とともにミシュランタイヤ・コリアを設立して技術提携生産を開始。この提携によってタイヤ製造のノウハウを学んだ同社は、2000年にはネクセンタイヤと社名変更しグローバル展開。
その高い技術力は、ポルシェやフォルクスワーゲン、BMW、アウディ、ルノー、三菱など多くの自動車メーカーも認めるところで、その証拠に多くの自動車メーカーに新車装着タイヤとして採用されている。
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現在は、韓国・中国だけでなくヨーロッパにも生産拠点を拡大し、フルオートメーション化による品質のばらつきを最小化したインテリジェント工場により、高品質なタイヤを安定して提供している。
なぜいま、このタイヤをおすすめするのか。それは「変わりゆく日本の気候」と「実際に試乗して体感したパフォーマンス」というふたつの観点から、多くのドライバーにとって新たな選択肢になると確信したからだ。
まず、気候の話から始めたのには理由がある。近年は温暖化の影響で降雪量が減少傾向にあり、その影響はスタッドレスタイヤの販売数にも表れている。日本自動車タイヤ協会のデータによると、暖冬だった2023-24年シーズンは、乗用車用スタッドレスタイヤの販売数が前年比で7.4%減少した。豪雪地帯や極寒地域を除けば、「この冬もスタッドレスは必要だろうか?」と悩む人が増え続けているわけになる。その一方で、局所的な記録的豪雪のように、過去のデータが役に立たない事態も起きているのも事実。
そうした予測が難しい状況だからこそ、「突然の降雪で立ち往生するリスク」を回避できるオールシーズンタイヤは、非常に合理的な選択肢といえるのではないだろうか。ただし、極寒冷地や日常的に雪道を走る豪雪地域に住んでいる方には引き続き高性能なスタッドレスタイヤを強く推奨する。
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ここからは、今回デビューした「N-BLUE 4SEASON2」の具体的な特徴と、ドライ/ウエット/スノー路面でのパフォーマンスを紹介していこう。
N-BLUE 4SEASON2の最大の武器は、幅広い温度域に対応する新開発のコンパウンドだ。このコンパウンドは、低温時には柔軟性を増して雪道を掴み、高温時には剛性を高めて夏場のドライ路面をしっかりと捉える、というようにトレッドの硬さが変化するのが特長になる。相反する性能が求められる環境に柔軟に対応できる点が素晴らしい。また、この特性は耐摩耗性能の向上にも貢献しており、従来モデルと比較してトレッドライフが30%も向上しているとのこと。オールシーズンタイヤの「性能がいつまで続くか」という不安を軽減してくれる点も大きな魅力だ。
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試乗のために雪道を目指して高速道路を走ると、まず静粛性の高さに驚かされた。スタッドレスタイヤにありがちな高周波のロードノイズが少なく、非常に快適なドライブが楽しめた。
そして最大の違いは、ハンドリングの素直さ。ステアリングを左右に小さく動かした瞬間は、ブロックのしなやかさをわずかに感じるが、レーンチェンジやカーブではその動きがピタッと収まり、過大なヨレが発生しない。非常に安定して曲がることができ、この安心感は特筆すべき点に感じた。カーブを抜け、直進状態に戻す際のハンドルの収まりも自然で、上質な走りを感じさせてくれる。
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トレッドパターンを見ると、全体的にV字型に配置されたブロックがお互いを支え合う構造になっているのがわかる。さらに、センター付近のブロックにはチャンファー加工(面取り)が施されており、これがブロック剛性を高め、優れた直進安定性を生み出しているのだ。
ブレーキ性能も一般的なサマータイヤと遜色なく感じた。これは新コンパウンドの効果に加え、路面の細かな凹凸にタイヤが密着する「グリップ・レジン・テクノロジー」により、高い制動力が得られているためだ。静粛性、ハンドリング、直進安定性、そのどれもが一般的なスタッドレスタイヤを凌駕していると体感できた。
雪山に近づくと、日差しで雪が解けたウエット路面が現れた。多数のV字溝と、角度がつけられた波型のサイプ(超薄型の溝)のおかげで、ステア操作の切り始めから終わりまで常に安定したグリップを感じられた。このグリップ感があれば、日常の雨天時も不安なく走行できるだろう。
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ただし、タイヤ全体がV字パターンのため、排水を担う太い縦溝(グルーブ)がないことを忘れてはならない。高速走行時の深い水たまりなど、ハイドロプレーニング現象には注意が必要だ。激しい雨の日は視界も悪化するため、安全を第一に速度を落として走行してほしい。どんなタイヤであっても過信は禁物だ。