ピックアップまでV6だのハイブリッドだの……アメリカン魂はドコ行った! アメ車好きがアメリカのオートショーで突きつけられた悲しい現実 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■OC AUTO SHOW 2025で南カリフォルニアの自動車トレンドを現地取材

■V8搭載車が激減しフルサイズピックアップにもハイブリッド化の波が到来している

■トヨタ・タンドラが流れを変え環境志向の新たな市場像を形成しつつある

アメリカでも地方のカーショーは縮小気味

 今回2025年9月下旬から10月上旬にかけ南カリフォルニアに滞在していたのだが、滞在期間中にアナハイム市のアナハイムコンベンションセンターにて、「OC AUTO SHOW(オレンジ・カウンティ・オートショー)」が、2025年9月25日から28日の会期にて開催されていたので、取材のため訪れた。

 政府や官公庁の会計年度(10月から新年度となる)に合わせ、全米各地で行われるオートショー開催のシーズントップをきって開催されるのがOC AUTO SHOWとなる。原則的にはこのショーから、今年(2025年)ならば2026年モデルの展示が可能となり、過去には1台か2台程度だがワールドプレミアモデルなども存在していた。地元ディーラーが自社の在庫から展示車をもち寄るのが基本となるのだが、出展ブランドのなかには、メーカーから一部支援を受けているようでステージなどを展示ブースに設けるところもあった。

 欧州ほどではないものの、ここアメリカでも自動車ショーはやや「オワコン化」の傾向があり、かつてはアメリカで販売されているほとんどの量販ブランド車でOC AUTO SHOWでも展示スペースが埋め尽くされていたが、いまでは出展自体を行わないブランドも出てきており、会場内にBEVの試乗コーナーがあったりしている。開催規模の縮小傾向は地元ディーラーが主体ということも大きく響いているようである。

 そんなOC AUTO SHOWでも、初日午前中は取材専用としてメディア関係者以外が会場に入ることができない「メディアデー(メディアタイム?)」が用意されている。しかし、基本単なるローカルショーなので訪れるメディアはほとんどなく、筆者だけがカメラ片手に会場内を駆けまわるほかは、地元インフルエンサーがパラパラいる程度となっていた。地元メディア関係者がたまたまいたのだが、「このガラガラぶりはどうなっているんだ、ロサンゼルスショーのようなネタもないじゃないか」と筆者に愚痴をこぼしてきた。

 会場もそれほど広くないのだが、展示車をほぼすべて撮影したあとは、アメリカンブランドを中心に会場を巡る「趣味の時間」に費やした。とくに楽しみなのはピックアップトラックとなる。ボンネットを開けて搭載されるV8エンジンを眺めることが筆者は大好きなのである。今回も期待を膨らませてボンネットを開けると、どうみてもV8エンジンより小さいし、シリンダーの数も明らかにふたつほど少ないエンジンばかりが目立った。

 よく見ると、とくにステランティスのラムやフォードでは3.5リッターあたりの排気量となるV6エンジンベースのハイブリッドユニットを搭載するモデルが目立っていた。HEVではステランティスやフォードより出遅れの目立つGM系でもあるGMCブースで、お目当てのV8・OHVエンジンにようやく出会うことができた。

 フォードブースにはマスタングも展示してあったのだが、ボンネットを開けると直4エンジンが搭載されていた。「アメリカのオートショーなのに、アメリカ自動車文化の象徴ともいえるV8エンジンがほとんどない、これはV8エンジンの終焉が近いのではないか!?」と、筆者はかなり不安になってしまったが、自分を慰める意味もこめて、「ここは南カリフォルニアだからだ」と、やや現実逃避的にものを考えることにした。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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