360万円でF40が落札……ってどういうこと? よくみると「ちょっと小さい」フェラーリの正体とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■数億円級のフェラーリF40には高クオリティのキッズカーが存在する

■キッズカー専門ブランド「F-racer」が4分の3スケールのF40を製作

■実車そのものな造形にエンジンを搭載して走行も可能な本格仕様となる

本気すぎるキッズカー

 年末が近づくと、あちこちで宝くじに当たったらあれがほしいだの、これがしたいといった声が上がりがち。世知辛い世のなかにあって、この時期だけはそこらじゅうで夢がふわふわしているわけですが、いくら数億円が当たったとしてもフェラーリF40は無理ゲー。なにしろ、状態の良いものなら3億〜6億円、GTやらル・マンモデルといった役物ならば余裕でその倍額となるのです。

 ならば、こんなアイディアはいかがでしょう。キッズ向けながら、エンジンをミッドシップした実走可能マシンです!

 アメリカのF-racerというキッズカー専門ブランドは、これまでもF40だけでなくメルセデス・ベンツ300SLやポルシェ936といったレジェンドマシンのキッズカーをリリースしていた模様。ですが、各メーカーが著作権にうるさくなってからは商売に行き詰まり、ついには消滅してしまったようです。が、彼らが造るおよそ4分の3スケールのキッズカーの仕上がりには定評があり、あちこちのオークションで高値をつけているという実績があるのです。

 このF40にしても、プロポーションはもちろん、ディテールにしても見まごうことなく再現がなされています。全長2650mm×全幅1600mmというサイズですから、大人だって乗り込めるはず。子ども向けにオープントップとされていますが、決してチンケなカスタマイズとはいい切れません。子どもだって、すぐでっかくなるから「大き目を買う」のは世の常でしょう(笑)。

 ミッドに積まれたのは270ccのガソリンエンジンで、ファイナルギヤ比2:1の前後2段ギヤを介して最高速35mph(約50km/h)というパフォーマンス。腕に覚えのある父ちゃんなら、単気筒600ccかなんかにスワップしちゃえば、100km/hくらい簡単に出せそうです。F-racer社はそのあたりも考慮していたのか、ブレーキは前後油圧ディスク、特製の油圧ダンパー、さらにはウィッシュボーンの独立懸架というシャシーに仕立てられました。なるほど、50km/hくらいなら眠たくなりそうな「エンジンより速いシャシー」かもしれません。

 もっとも、車内にスピードメーターの装備はなく、あるのは電圧&油圧計という謎コンビ。レースカーに仕立てるにしても、タコメーターくらいはほしいところです。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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