この記事をまとめると
■軽自動車からミニバンまでジャンル別に買い得グレードを考えた
■各カテゴリーのなかから装備と価格がバランスした本当にお得な1台を厳選
■装備内容や機能から実質的な価格差も考慮した
必ずしも売れているグレードがお得とは限らない
新車価格の上昇が続くなか、同じ車種でもグレード選び次第で満足度とコスパは大きく変わる。今回は軽自動車、コンパクトカー、SUV、ミニバンの主要ジャンルから、価格と装備、走りのバランスに優れた買い得グレードを厳選した。
軽自動車:スズキ・ハスラー
●買い得グレード:ハイブリッドGターボ(159万6100円/2WD)
いまの軽自動車の売れ筋はスライドドアを装着した背の高い車種だが、すべてのユーザーがスライドドアを必要するわけではないだろう。
そして、後席側のドアを横開きにした軽自動車で、もっとも販売台数の多い車種がスズキ・ハスラーだ。外観はSUV風で、最低地上高(路面とボディのもっとも低い部分との間隔)は180mmだから、悪路のデコボコも乗り越えやすい。全高は1700mm以下だが、車内は十分に広く、後席の頭上と足もとにも余裕がある。
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シートアレンジも多彩だ。後席の背もたれを前側に倒すと、座面も連動して下がり、床が平らな広い荷室に変更できる。荷室には汚れを落としやすい加工が施され、アウトドアで使った荷物も気兼ねなく積める。実用性が優れ、ハイブリッドGターボは、動力性能に余裕があって2WDの価格は160万円以下だ。
コンパクトカー:日産ノートオーラ
●買い得グレード:ニスモ(312万5100円/2WD)
日産ノートオーラニスモは、スポーティグレードであると同時に価格が割安だ。外観にはエアロパーツが装着され、サスペンションやタイヤも専用に設定された。
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内装もシート生地を含めてスポーティで、ドライブモードに「ニスモモード」を採用するなど、運転感覚を全般的に向上させた。
その一方で価格は割安だ。2WDの場合、ノートオーラGと比べたときの価格アップを約30万円に抑えた。そのためにスポーティグレードでは珍しく、ノートオーラの販売総数の内、約20%をニスモが占めている。
SUV:ホンダ・ヴェゼル
●買い得グレード:e:HEV・RS(374万8800円/2WD)
ホンダ・ヴェゼルは人気の高いコンパクトSUVで、一番の特徴は広くて上質な室内だ。インパネなどはていねいに作り込まれ、後席の頭上と足もとの空間も広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシふたつ半の余裕がある。
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これはハリアー並みの広さだ。ホンダにはミドルサイズSUVとしてZR-Vもあるが、コンパクトなヴェゼルで十分と思わせる。
買い得グレードはスポーティなRSだ。内外装をスポーティに仕上げて、足まわりの設定も異なり、峠道や高速道路の走りに適している。ステアリング操作に対する車両の反応も正確だ。
価格はe:HEV・Zに比べて48万700円高いが、ホンダコネクトディスプレイなど37万400円相当のオプション装備を標準装着した。つまり、スポーティな内外装やサスペンションの設定変更は、約11万円で実施されている。そこまで考えるとe:HEV・RSは買い得だ。
ミニバン:トヨタ・シエンタ
●買い得グレード:ハイブリッドG(281万4900円/2WD)
国内でもっとも多く販売されているミニバンはトヨタ・シエンタだ。全長を4300mm以下に抑えたボディは、視界も優れ、コンパクトカーのように運転しやすい。
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3列目はあまり広くないが、薄型燃料タンクの採用で、床と座面の間隔は十分に確保した。そのために膝のもち上がる窮屈な姿勢にならない。
また3列目は、2列目の下側に格納されるから、広げた荷室に格納されたシートが張り出さない。スッキリと広い空間にアレンジできる。
買い得なパワーユニットはハイブリッドだ。価格はノーマルガソリンエンジンに比べて約35万円高いが、購入時の税額が約10万円安く、実質価格差は約25万円に縮まる。レギュラーガソリン価格が170円/Lとすれば、7万〜8万kmを走ると、実質価格差を燃料代の差額で取り戻せる。