この記事をまとめると
■盗難された日本車が東南アジアや中東に加えアフリカにまで不正輸出されている
■福岡県内で盗まれた小型トラックがウガンダ向けに輸出され逮捕者が出た
■旧型で防犯装置の乏しいトラックが狙われやすく盗難防止対策が必須である
トラックも盗難の標的に
ここ数十年の間、問題となっている日本車の国内での盗難事件。その多くは東南アジアや中東など、海外に不正に輸出されており、その摘発数も増加の一途をたどっている。
テレビや新聞などの報道でも、盗難と不正輸出は常に取り沙汰されている。その盗難車の多くはハイエースなどの実用性に優れた商用車やランドクルーザーなどの悪路走破性に優れたSUV、また近年ではレクサスLSやアルファードなどの高級車も多く狙われているという。
トラックや重機などの大型車両もその盗難車のトップにランキングされている。乗用車や小型トラックは郊外などのヤードで秘密裏に海上コンテナに積み込まれ、貨物船に載せられてしまう。大型車や重機はそのままでは海上コンテナに収納できないため、パーツごとにバラされて「部品」として輸出されてしまうという。ちなみに大型クレーンが車両置場に駐車される際、クレーンを空に向けて上げた状態で駐まっているのは、盗難防止のためでもある。クレーンを上げたまま自走はできないからだ。
海上コンテナのイメージ画像はこちら
そんなトラックの盗難車が、前述した東南アジアや中東諸国だけでなく、遠くアフリカまで不正輸出されているという。2025年10月、福岡県内にて盗んだトラックを東アフリカのウガンダに不正に輸出しようとしたとして、福岡県警がウガンダ国籍の男5人を関税法違反の疑いで逮捕した。
容疑者のウガンダ国籍の貿易会社代表ら5人は、同県古賀市や飯塚市でトラック2台を盗み、ウガンダへ向けて輸出しようとしたところを逮捕された。同県内では2024年10月以降トラックの窃盗事件が10件続き、容疑者たちはそのうち2件に関与。ほかの8件にも関与しているという疑いで捜査が進められている。
容疑者たちはウガンダへ輸出するため、車台番号を偽り書類を偽造。輸出申告したため逮捕にいたったという。テレビのニュースで報じられていた盗難車両の1台はいすゞのエルフ。1984年から1993年に製造されていた4代目モデルで、ドアの鍵穴を破壊した状態で盗まれていた。
東南車両と同型のいすゞ・エルフ画像はこちら
生産終了から30年以上経過した、日本国内ではもはや絶版車扱いになっているエルフを盗んだ背景は、アフリカでは中古トラックの需要が高く、日本車は耐久性に優れているためとくに注目されているという。また旧型車両は盗難防止のセキュリティ対策がなされていないということも狙われた原因だったのかもしれない。
前述したとおり、車体をバラさなくても海上コンテナにこっそり入れられる乗用車やバンのほか、ダイナやキャンター、エルフなどの小型車が窃盗犯たちの人気(?)を集めているという。また、フォワードやレンジャーなどの中型車やプロフィアやギガなどの大型車も油断できない。イモビライザーなどの高年式車には標準装備されている電装系セキュリティだけでなく、車両の盗難を完全に物理的に防ぐハンドルロックやホイールロックなどの盗難防止装置も、もはや必須の装備となっている。
乗用車や商用車・トラックなど車種を問わず、現在はクルマが盗まれたら海外に不正輸出されるのがお決まりのコースになっており、大切な愛車を探そうとしても、もはや日本には存在しないという現状になっている。盗難防止の対策は「やりすぎ」ということは決してない。二重三重、ひいては四重五重の防御網を作って愛車を守ってほしいものだ。