なんと窃盗団はディーラーの展示車も狙っていた! 車両も来店客も厳しく管理せざるを得ない現状 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■いまどきの新車ディーラーは屋外展示車両や試乗車を屋内保管するようにしている

■屋内保管は1990年代から頻発し出した車両盗難に対する対抗策だ

■試乗時は来店アンケート記入を必須とするなど、盗難対策をしているディーラーが増えた

面倒だと屋外展示のままにしておくと被害甚大

 その昔、新車ディーラーは、お盆や年末・年始などの長期休暇に入るときだけ、屋外にある展示車や試乗車をショールームやサービス工場内で保管するようにしていた。長期休暇の期間中にずっと屋外に置いておくと「いたずら」される可能性が高いというのが主な理由だったと聞いている。

 しかし、1990年代後半あたりになると、毎日営業終了時に屋外展示車などを屋内に保管するようになった。ちょうどこのあたりになると、日本各地で広く車両盗難が多発するようになったからだ。なかには外国人の窃盗団もおり、彼らの一部が新車ディーラーで屋外展示されている未登録の展示車に目を付けたのである。

「メーカーの工場から出荷された納車予定車が、配車のために店舗前にキャリアカーに載せられた状態で停まり、新車をおろしている光景はよく目にすると思います。窃盗団はおそろいの作業着を着て、深夜に新車を届けに来たフリをすることでカモフラージュして、展示車をトラックに載せて盗んでいたそうです」とは事情通。

 彼らは盗んだ展示車を海外へ持ち出して売却するので、あえて未登録車を狙っていたともいわれていた。関東地域では新潟港から「出荷」されることも多いとされており、そのためか、関越自動車道沿いの埼玉県北部や群馬県あたりで活発に活動していたそうだ。その後、北関東自動車道が開通すると、東北自動車道沿いの市町村にあるディーラーや一般家庭などの車両が頻繁に盗まれるようになったと聞いている。

 いまでは圏央道なども開通しているので、あらゆる場所への移動が簡単になり、車両盗難が広域化したともいわれている。高額車や海外でとくに人気のあるモデルは、車両保険に加入するなど「車両窃盗対策ありき」で保有するのが、いまや当たり前となっている。そして新車ディーラーでは、閉店時に屋外展示車を屋内にしまうのも当たり前となったのである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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