この記事をまとめると
■日産インドの新型MPV「グラバイト」の日本市場適合性を検証
■全長4m未満で7人乗り、CMF-A+採用でフリードより280mm短いコンパクト設計
■インド価格96万円相当で若い子育て世代の低価格3列シート需要に応える可能性がある
国内市場コンパクトミニバンの半額で3列シートを実現
3列シートのコンパクトMPVは、日本市場において確固たる地位を築いている。トヨタ・シエンタとホンダ・フリードが牽引するこのセグメントは、子育て世代を中心に根強い支持を集めてきた。しかし、両車の価格帯は200万円台後半から300万円台。若い世代にとって決して安い買い物ではない。
そんななか、日産がインドで発表した新型MPV「グラバイト」が、思わぬ形で注目を集めている。全長4m未満というコンパクトサイズながらも7人乗りというパッケージング、そしてなにより56万5000インドルピー(邦貨換算約96万円)という価格設定が、「これを日本にも」という声を呼んでいるのだ。
グラバイトはインド日産自動車会社がチェンナイ工場で生産するBセグメントのMPVである。プラットフォームはルノーと日産が共同開発したCMF-A+を採用し、同じく3列シートをもつルノー・トライバーと兄弟車の関係にある。ボディサイズは全長3987mm×全幅1734mm×全高1644mmで、ホイールベースは2636mm。最低地上高は182mmを確保している。
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さて、このサイズ感は日本の道路環境にどう適合するだろうか。たとえば現行フリード(全長4265mm×全幅1695mm×全高1710mm)と比較すると、全長は約280mm短く、全幅は約40mm広い。むしろダイハツ・ロッキー(全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm)に近いサイズ感だ。全幅1734mmは5ナンバー枠(1700mm)を39mm超えるが、狭い住宅街でも取りまわしに困るほどではない。
搭載されるパワートレインは1リッターの直列3気筒エンジンで、最高出力72馬力(53kW)/6250rpm、最大トルク96Nm/3400-3600rpmを発揮する。多人数乗車、高速走行を見込むと少々頼りないスペックではあるが、グラバイトとプラットフォームを共有し、同じく日産がインドで生産するSUV「マグナイト」には1リッターターボエンジンが用意されるので、そのユニットを搭載するのは現実的かもしれない。
トランスミッションは5速MTのほか、シングルクラッチ式5速自動MT(AMT)を設定。車両重量は988kg(MT仕様)と軽量で、インドの燃費基準に対応した設計となっている。
室内は2名から7名まで対応可能なシートレイアウトを採用し、3列目シートは着脱可能だ。とはいえ、この3列目シートの居住性にはかなり疑問が残る。グラバイトは前述のとおり、3列目がお世辞にも広大とはいえないフリードよりも280mmも全長が短いためだ。しかし写真を見たところでは、少なくともレッグルームはそれなりに確保されているようにも見える。
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7人フル乗車時のラゲッジスペースはほぼ皆無だが、3列目シートを取り外した5人乗車時には625リットルの荷室容量を確保できる。全長4m未満でこのフレキシビリティを実現した点は評価に値するだろう。