この記事をまとめると
■信号のない横断歩道での一時停止率は7.6%から56.7%に改善された
■一方で歩行者に譲られたから進行したのに違反切符を切られたというトラブル事例が増加
■警察の判断は現場次第なので歩行者優先を徹底すべきである
横断歩道での「譲り合い」に潜む違反リスク
JAFが2016年に行った「交通マナーに関するアンケート調査」で、「信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しない車が多い」と思うと答えた人が86.2%(「とても思う」が43.7%、「やや思う」が42.5%)に達し、大きな話題になったのは記憶に新しいところ。
同じくJAFが毎年実施している「信号機のない横断歩道での一時停止状況」の全国調査では、2016年の信号機のない横断歩道におけるクルマの一時停止率がわずか7.6%だったのに対し、2025年は56.7%とかなり改善されている。
一方で、警察も横断歩行者等妨害等違反の取締りを強化しており、横断歩行者等妨害等違反の取締り件数は、令和6年中は約32万件で、令和2年の約1.1倍となった。
横断歩道手前一時停止画像はこちら
こうした横断歩行者等妨害等違反の取締りで問題となっているのが、ドライバーが横断歩道の手前できちんと一時停止をしたのに、歩行者から「お先にどうぞ」というジェスチャーがあり、それを確認して走り出したのに、警察官に咎められて違反切符を切られるケース。
警視庁と千葉県警では、一時停止したうえで歩行者に譲られた場合は、原則として取り締まりの対象にしていないとのことだった。ただし、現場での対応はケースバイケース。
法律的には「横断しようとする歩行者がいる時は、車両は横断歩道の手前で一時停止し、かつ、その通行を妨げてはならない」(道路交通法 第三十八条)と定められているので、まず横断歩道の手前で一時停止していなければ、一発でアウトだ。
問題は「その通行を妨げてはならない」という部分。ドライブレコーダーなどで、歩行者が手で譲る合図をしたと証明できれば、「通行を妨げたこと」にはならないので違反ではないといい切れるが、その証拠がなければ、歩行者を立ち止まらせて、クルマが先に動いたところを警察官に見られたら、違反切符を切られてしまう可能性は大きくなる。
取り締まりのイメージ画像はこちら
結論からいえば、信号機のない横断歩道を渡ろうとしている歩行者に気づいたら、先方に道を譲る意思がある・なしにかかわらず、一時停止をして歩行者が渡り切るまで待つのが無難。少なくとも、周囲に警察官の姿が見えているときは、どんなに譲られても歩行者優先の立場を貫いたほうがもめごとに巻き込まれるリスクがなくなるので、そうすることをおすすめしたい。