この記事をまとめると
■1990年代に入ったころからカーナビが急速に普及し始めた
■カーナビは道路交通情報提供サービスとの組み合わせでさらに便利なものとなった
■いずれはAIがカーナビの情報を判断をして車両を適切にコントロールするようになるはずだ
カーナビの普及でクルマはさらに便利な乗りものになった
クルマを走らせて知らない場所に行くとき、道順を把握するのにたいへん便利なカーナビゲーション。最近ではスマホアプリタイプのものも多いから、必ずしも据え置き型が取り付けられているとは限らない。昭和の時代なら、分厚い地図を助手席に置いていちいち道順を調べていたドライバーも多かった。それから考えれば、ずいぶん便利になったものである。
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カーナビが一般に普及しだしたのは、1990年代に入ったころから。パイオニアが初めてGPS(全地球測位システム)式を採用し、市販品(メーカー純正ではなく後付け品)として売り出したことがきっかけだ。当時は衛星の数が少なく、測位できない時間帯があったり実際の場所と大きく誤差があったりしたものである。
それでも、地図と自車位置がモニター画面に表示されることにより、知らない場所でも迷わず進むことができるというのは、画期的であったといえよう。
ただ、道に迷わなくなったとしても、リアルタイムで発生しているトラブルまではわからない。事故や工事などによる渋滞が発生していれば、到着予定時間を大幅に過ぎてしまう。そこで登場したのが、VICS(道路交通情報通信システム)・ATIS(高度交通情報サービス)といったリアルタイムの道路交通情報提供サービスなのだ。
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これらは、都道府県の各警察・日本道路交通情報センター・道路管理者(国土交通省・地方自治体・道路会社)などから道路の情報を取得。それを編集・分析して、ドライバーに提供するのである。情報を提供する主なルートは、以下の3つだ。
・光ビーコン
主に一般道路に設置されており、当該車両の前方約30kmと後方約1kmの情報を提供し、文字や簡易図形により情報を表示する
・FM多重放送
県単位のエリアに広域情報を発信し、文字や簡易図形のほかにも地図にマークで重ね書きをして情報を表示する
・電波ビーコン
主に高速道路に設置されており、当該車両の進行方向約1000kmの情報を提供し、文字や簡易図形により情報を表示する
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こういった情報は、走行ルートを決める上でたいへん便利だ。ただ、道路の情報は基本的にセンサー(車両感知器など)が設置されている場所のことしかわからない。具体的にいえば、相応の交通量がある幹線道路や亜幹線道路が中心ということだ。生活道路などについては、ほとんど状況がわからないのである。
そこで、新たに導入されたVICS WIDEでは、走行している車両から位置と時刻といった走行履歴を収集する、プローブ情報を利用してセンサーのない道路の状況を把握。それをもとに、渋滞などの情報を発信できるようになったのだ。さらに、異常気象による大雪や集中豪雨といった気象情報も、地図上に特別警戒情報としてポップアップさせたり、雨が降るエリアを表示させたりしているのだ。
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これらの情報を得たドライバーは、渋滞や異常気象が発生している地域を迂回することができるほか、そういった地域の通行に必要な準備をすることが可能になる。
現在はこれらの情報をドライバーが確認して判断しているが、自動運転などが普及するようになれば、AIが判断をして車両を適切にコントロールするようになるのだろう。今後、どのようにVICSが発展していくのか大いに期待したい。