この記事をまとめると
■408/4RMはフェラーリが1980年代に開発した実験的4WDプロトタイプ
■V8エンジンと独自4WDを組み合わせて電子技術などでも多数の最新技術を搭載
■17件の国際特許を取得してのちのフェラーリ車に大きな影響を与えた
1980年代に生まれた未来のフェラーリ
今回は、フェラーリが1980年代に製作したプロトタイプ、「408/4RM」の話をしようと思う。ちなみに408/4RMというネーミングは、4リッターのV型8気筒エンジンを搭載した4 Route Motricil、つまり4WD車であることを意味するもの。
ちなみにこの4RMという称号は、2011年にフェラーリ初の量産4WDモデルとして登場した「FF」で採用された4WDシステムの名に始まり、「GTC4ルッソ」、そして「プロサングエ」(4RM-S)へと受け継がれている。
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408/4RMの開発を主導したのは、1962年からスクーデリアフェラーリで数々のレーシングカーを設計してきた、かのマウロ・フォルギエーリだった。その功績はここで改めて触れるまでもないが、彼は1984年にフェラーリの社内人事によって、それまでのレースの世界からは離れた研究開発チーム(のちのフェラーリエンジニアリング)への移動を命じられることになる。
そしてこのチームで最初に取り組んだのが、さまざまな新技術を駆使してフェラーリ車の未来像を探った実験車、408/4RMの製作だったのだ。
とかく駆動方式を4WDとしたことばかりがクローズアップされる408/4RMだが、このモデルにはほかにも多くの革新的な技術が採用されていた。実際にフォルギエーリのチームは1987年と1988年に2台の408/4RMを製作しており、「70183」のシャシーナンバーをもつ前者はレッドの、また同じく「78610」の後者にはイエローのボディカラーが与えられたが、この両車はのちに1台のモデルとされ、フェラーリのミュージアム、ガレリア・フェラーリでは、一時そのカットオフモデルが展示されていた。
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2台の408/4RMのセンターモノコックは、70183ではステンレス製とされたが、78610ではアルミニウム製へと素材が改められている。カットオフモデルのそれは接着工法によって成型されたアルミニウム製、すなわち78610のそれだった。フロントのサブフレームにはマグネシウム素材が使用されていたほか、軽量な樹脂系素材も積極的に活用されていたことも408/4RMの特長として見逃せない。