この記事をまとめると
■ジーリー傘下のLynk & Coが次世代ハイパーGTのコンセプトカーを公開した
■「TIME TO SHINE GT」はボタンひとつで戦闘モードへと変形するギミックを備える
■中国スーパーカーは市販化されれば欧州勢を脅かすほどの存在となっている
ジーリーも中国ハイパーカー戦争に参入するのか
日本も自動車メーカーは多いほうだと思うが、そんな日本車メーカーからスーパーカーやハイパーカーが誕生するのは非常にまれだ。一方、世界最大の自動車市場となった中国では近年、ハイパーカーがデビューすることが多い。そして、ヤンワンU9やシャオミSu7ウルトラなど、その実力はよく知られているとおりだ。
そんな中国車に、また新たなハイパーカーが誕生するかもしれない。そう期待させてくれるのが、Lynk & Coが北京モーターショーで発表した「TIME TO SHINE GT(タイムトゥシャインGT)」だ。Lynk & Coといえば、ジーリーとその傘下であるボルボによる協業ブランドで、その開発拠点はスウェーデン・ヨーテボリにある。欧州的なデザインと中国の資本・技術が融合したブランドで、その出自はグローバルだが、ここでは中国系資本であるため中国車として話を進めたい。
Lynk &Co タイムトゥシャインGTのフロントスタイリング画像はこちら
タイムトゥシャインGTは、全長4780mm、全幅2000mm、全高1330mm、ホイールベース2750mm。数字を並べればわかるが、要するに、低く、広く、長い、ワイド&ローな伝統的GTのプロポーションをもつクルマだ。
ボディカラーは「エイペックスブルー」と名付けられた液体金属のような深みのあるブルー。光の当たり方や見る角度によってボディの表情が変わる仕上がりで、デザインチームは、「光にる彫刻」と表現する。そこに、Lynk & CoのモータースポーツDNAを象徴する色、スパークイエローのアクセントがおごられる。
Lynk &Co タイムトゥシャインGTのリヤスタイリング画像はこちら
じつはLynk & Coは、WTCRで複数回のチャンピオンシップを獲得しているブランドであり、イエローのレーシングカラーはダテではない。
インテリアは、ホワイトのレザーを基調とした明るく洗練された空間となる。ドライバーズカーでありながら2+2のレイアウトを採用しているのは、「情熱的だが孤独ではない」という設計コンセプトが反映されているからだ。
Lynk &Co タイムトゥシャインGTのインパネ画像はこちら
そして、このコンセプトカーでもっとも目を引くのが、センターコンソールに鎮座するスパークイエローの「+」ボタンだ。このボタンを押すと、サスペンションが15mm下がり、前後の空力パーツが展開してボディ全長が100mm伸び、リヤウイングが立ち上がる。そして同時に、インパネにある3つのデジタルスクリーンは格納され、ドライバーの視界から余計な情報を遮断。ドライバーが真に運転に集中できる空間が作り出される。ちなみにこのときのパフォーマンスは、0-100km/h加速2秒とされているからとんでもない。
変形後のLynk &Co タイムトゥシャインGTのフロントスタイリング画像はこちら
ジーリーは、いまや世界でも有数の巨大自動車コングロマリットだ。ボルボは安全とスカンジナビアの上質さを売りにするプレミアムブランドであり、ロータスは英国の伝説的スポーツカーメーカーとして超高性能EVの世界に踏み込んでいる。さらにポールスターは、パフォーマンス志向のEVブランドとして欧米市場で存在感を示している。そんななかでLynk & Coは、「ボルボほど保守的でなくポールスターほど尖っていない、しかしスポーティで個性的」というポジションを担ってきた。今回の「タイムトゥシャインGT」は、そのLynk & Coが「本気でスーパーカーの世界に踏み込む」という宣言にも受け取れる。
ジーリーグループの強力な資本力を背景にすれば、今回の「タイムトゥシャインGT」の市販化を実現するのは難しくないだろう。そして、もしもそれが実現されれば、その輝きは欧州の老舗ブランドにとっても決して無視できないものになるはずだ。
変形後のLynk &Co タイムトゥシャインGTのリヤスタイリング画像はこちら
「TIME TO SHINE」を直訳すれば「輝くとき」となる。その名前が示すとおり、Lynk & Coはさらに輝こうとしているのかもしれない。