始動した瞬間メーター内の警告灯「全点灯」ってウチのクルマぶっ壊れた? 安心してください「むしろ」正常の証です (1/2ページ)

この記事をまとめると

■キーON時の警告灯全点灯は異常ではなく動作確認のために行われている

■各ECUや警告灯回路の正常性を確認するバルブチェック機能が存在する

■始動後も消えない警告灯は実際の故障や異常を示す重要なサインだ

警告灯そのものや表示回路の機能を確かめている

 クルマに乗り込んでエンジンをかけようとしたとき、一瞬ほぼすべての警告灯がパッと点灯し、エンジンがかかると次々に消えていく。ほとんどのドライバーが目にしたことがあるだろう。クルマに乗り始めたばかりのころは「故障しているのかな?」と不安になった経験をもつ人も多いかもしれない。だがこれは故障でも異常でもなく、クルマが正しく機能している証拠なのだ。この「キーON時の全警告灯点灯」にはちゃんとした理由があり、それを知ることでクルマへの理解がひとつ深まる。

 現代のクルマには、エンジン制御、ブレーキ、エアバッグ、各種センサーなど、数十から多いものでは100を超える電子制御ユニット(ECU)が搭載されている。これらのECUはそれぞれ担当するシステムの状態を常時監視・診断しており、異常を検知したときに警告灯を点灯させる。

 では、なぜキーをONにした瞬間にすべての警告灯が点灯するのか。この機能、じつは「バルブチェック(ランプテスト)」と呼ばれるもので、キーをONにすると、コンビネーションメーターが各ECUの起動確認と同時に表示テストを行う。その診断の一環として、警告灯を表示する回路そのものが正常に機能しているかを確認するため、意図的にすべてを点灯させるのだ。

 近年の先進運転支援システム(ADAS)の普及によって、前方カメラ、ミリ波レーダー、ステアリング制御、ブレーキ制御にかかわる表示も増えた。これらも電源投入時にシステムチェックを行うため、カメラの視界確保やレーダーの初期化が完了するまで一時的に表示が出ることがある。

 つまり、バルブチェックもADAS起動時の表示も、警告灯が点くのは「異常がある」からではなく、「正しく動作するか」を確認しているのである。もしこのテストで特定の警告灯が点灯しなければ、その警告灯の回路や電球(あるいはLED)が故障している可能性があり、いざ本当に異常が発生したときに警告が伝わらないという深刻な問題につながる。このバルブチェックは、安全装置としての警告灯が確実に機能することを担保するための、いわば”保険の確認作業”なのだ。

 自動車の安全基準を規定するUNECE(国連欧州経済委員会)の規則や、日本の保安基準においても、ドライバーに対して正確な車両状態を伝えるための警告灯の装備は法規で求められており、バルブチェックはその信頼性を確保するための実現手段として広く採用されている。


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