この記事をまとめると
■メルセデス・ベンツCLSは4ドアクーペという新ジャンルを切り拓いた
■流麗なデザインでメルセデス・ベンツのブランド像を刷新
■後続メーカーを巻き込み市場全体の潮流を変えたといえる
自動車デザインの潮流を変えた革命児
クルマ界隈のトレンドづくりというのはひと筋縄ではいかないもの。カッコいいだろうと尖ったスタイルを出してみてもパッとしなかったり、逆にウケそうもないデザインが妙に売れゆきがよかったりと、捉えどころがないのです。2000年代初頭のメルセデス・ベンツもまた、CLSのリリースにはそんな戸惑いを覚えていたかもしれません。が、幸いなことにのちに4ドアクーペというトレンドを生んだばかりか、自社のイメージまで刷新することに成功。市場はもちろん、社内でも伝説となっているモデルを振りかえってみましょう。
初代CLSは2004年のジュネーブショーでお披露目されました。チーフデザイナーは社内のマイケル・フィンクで、「クーペがもつ強烈でエモーショナルなカリスマ性と、セダンの快適性・実用性を融合させることを目指してスケッチした」とのコメントが残っています。とにかく、従来のメルセデス・ベンツでは考えられなかったようなデザインで、誰もが目を丸くして驚いたもの。
初代メルセデス・ベンツ CLSのフロントスタイリング画像はこちら
なにしろ、従来の質実剛健、ややもすればもっさりしたデザインだったのが、流麗なボディライン、アグレッシブなフロントマスク、乗員スペースを意識しないようなキャビン設計などなど、すべてが新しいものだったのです。
さらに、クーペとは2ドアというこれまでの概念を無理やり覆し、4ドアモデルながらクーペを名乗ったことが新しい。批評家筋は「いやいや、それクーペと呼ぶのはおかしいでしょ」と難くせを付けたものですが、当のメルセデス・ベンツはどこ吹く風。後にBMWがグランクーペと名乗った6シリーズを出したり、アウディA7やポルシェ・パナメーラも4ドアクーペと呼んだりして完全に定着。メルセデスは期せずしてトレンドリーダーの座を射止めてしまったのです。
初代メルセデス・ベンツ CLSのリヤスタイリング画像はこちら