この記事をまとめると
■トラックドライバーには昔から語り継がれるユニークな眠気対策が存在する
■ナビへの説教や架空の新人教育などで脳を働かせることがポイントになっている
■本当に眠いときは仮眠と休憩が最善策であることに変わりはない
眠いときにトラックドライバーが試すおもしろ眠気対策
トラックドライバーの眠気対策といえば、まず思い浮かぶのはコーヒー、ガム、仮眠、窓開け、そして大声で歌うことあたりだろう。もちろん本当に眠いときは、無理をせず安全な場所で休むのが大前提だ。しかし、現場には昔から、科学的根拠があるのかないのかわからないのに妙に語り継がれている眠気対策の「都市伝説」のようなものがある。そこでここでは、あえて定番の眠気対策ではなく「そんな方法が!」という面白ネタを紹介しよう。
まず最初の面白眠気対策ネタが、ナビに向かって本気で説教するという方法だ。ナビが「この先、右方向です」と言えば、「右じゃねえよ、こっちは大型なんだよ!」と返す。到着予想時刻が遅れると、「お前、渋滞読めてなかっただろ」と詰める。相手は機械だから反論してこない。だからこそ、こちらの独演会になる。眠気覚ましというより、ひとり芝居に近い。しかも深夜の高速でこれをやると、だんだん自分でも何をいっているのかわからなくなり、それがおかしくて目が覚めるらしい。
トラックのナビゲーション画像はこちら
また、昔から一部で語られているのが、ラジオの人生相談に勝手に参加するというものだ。相談者の話を聞きながら、「それは違う」「いや、そこは謝れ」「その男はやめとけ」などと、キャビンのなかから全力で助言する。もちろん相手には届かないが、感情が動くので眠気が飛ぶ。とくに深夜ラジオの重たい相談は、下手なエナジードリンクより効くという人もいる。なかには、相談が終わるころには自分の人生まで振り返ってしまい、逆にしんみりして眠くなるという失敗例もあるそうだが……。
サービスエリアでの奇妙な儀式も多い。眠くなったら降りてスクワットを10回、腕立てを5回、トラックのまわりを一周、最後にタイヤを軽く叩いて「よし」という。ここまではまだわかる。ところが、なかには白線の上だけを歩く、自販機の前で一番売れていなさそうな飲み物を選ぶ、などという謎のルールをもつ人もいる。眠気対策というより、脳に小さな課題を与えて再起動する感覚なのだろう。
サービスエリアの自販機画像はこちら
さらにくだらないのに、ずっと語られているのが、「架空の新人を横に乗せる」方法だ。助手席に見えない新人がいる設定にして、運転の注意点を説明し続ける。「大型は内輪差があるからな」「車間距離は命だぞ」「眠いと思ったら負けだぞ」などと語っているうちに、自分が教官のような気分になってくる。誰もいない助手席に向かってベテラン風を吹かせるわけだが、言葉にすることで意識が運転に戻るという意味では、案外バカにできない。
なかには、眠気が来たらあえて過去の恥ずかしい記憶を思い出すという猛者もいる。学生時代の失敗、若いころの勘違い、元恋人に送った痛いメール。思い出した瞬間に「うわっ」と声が出るような記憶は、確かに目が覚める。ただし、効き目が強すぎてしばらく心が落ち着かなくなる。眠気は飛ぶが、メンタルも少し削られるという副作用付き。
夜間に運転するトラックドライバー画像はこちら
ほかにも、コンビニで買った眠気覚ましドリンクを飲む前にラベルを音読する、前を走るトラックの会社名から社長像を想像するなど、細かい流派はいくらでもある。くだらないようでいて、どれも共通しているのは、単調になりがちな運転中の脳を無理やり働かせることだ。
ただし、どんな都市伝説的な眠気対策にも限界はある。歌っても、説教しても、架空の新人に語りかけても、本当に眠いときは眠い。最後に勝つのは、結局のところ仮眠であり、休憩であり、無理をしない判断ということだ。