乗用車の比じゃない重さとサイズの大型車の下回り整備はどうやって行う? バス&トラックを「もち上げる」方法とは

この記事をまとめると

■トラックなどの大型車両の整備は乗用車よりも大きな設備が必要だ

■車両をもち上げる際の設備は車重があることから大掛かりなものになる

■軽作業向けのものから重作業向けのものまでラインアップの幅は広い

トラックはどうやってもち上げる?

 街でよく見かける10トントラックや、大型観光バス。これら大きな車両の足まわりや下まわりを整備する際、一体どうやって車体をもち上げているのだろうか? 乗用車用のパンタグラフ式や2柱リフトでは、とてもその重量に耐えられないだろう。なのでこれらの車両を整備する場所では、床面に穴を掘って作業者が入り込めるスペースを作り、その上に車両を移動させて整備をするという方法をとるケースが多い。

 しかし、大型車に対応した機械式リフトもちゃんと存在しているのだ。自動車用機械工具メーカー「バンザイ(BANZAI)」などが展開する、「大型車用フロアリフト」がそれである。その最大の特徴は、格納するときに「床面と完全にフラット(同一面)になる」点。その仕組みは、工場の床下に掘られた溝のなかに強力な油圧シリンダーと強固なリンク機構、そして車両を載せるための巨大な鋼鉄製テーブルを埋め込んでいるというものだ。

 バンザイ製のフロアリフト(BFLシリーズなど)の場合、テーブル幅は750mm~1000mm、長さは4000mm・6000mm・1万2000mm(連結仕様)がラインアップされている。そのため、ロングホイールベースの大型トラックや、連節バスでも余裕でカバーする。これだけ重量のある車両をもち上げるのだから、その安全装置は万全だ。 万が一の油圧抜けに備え、上昇するときは機械式のロック機構がガッチリと嚙み合うようになっている。これにより、作業者は重量級の車体の下でも安心して作業に集中できるのだ。

 このリフトの主な目的は、足まわりのクイック点検からトランスミッションの脱着といった重整備、さらにはオイル交換などの日常メンテナンスに至るまで、作業効率と安全性を飛躍的に高めることにある。ゆえに、使い方は以下のとおり極めてシンプルだ。

・車両の進入

 床面がフラットな状態のリフト上に、大型車を進入・停車させる。

・上昇操作

 固定式、あるいはリモコンのスイッチを操作すると、油圧によってテーブルが垂直に上昇。車体をタイヤごと、あるいはアタッチメントを介してフレームごと持ち上げる。目的の高さに達すれば、メカニカルロックをかけて安全を確保。最大ストローク(揚程)は1750mm~2250mmに達し、整備士は立ったままの姿勢で下まわり作業が可能だ。

・下降

 ロックを解除し、もとの床面まで下降させる。ただ、このリフトはどこにでも設置が可能というわけではない。導入のタイミングは工場を建設するとき、あるいは大規模なリフォームを行うときになる。なぜなら、床下の掘削とコンクリート強度の確保が必要だからだ。数万ニュートンもの荷重とリフト自重が局所的にかかるため、地盤から頑強に固められた大型車専用作業スペースへの設置が必須条件なのである。
このほかにも、以下のようなタイプのリフトが存在する。

・キャタピラツイン(2柱・3柱式)

 床下に埋設された柱が上昇するタイプ。床面の開口部にキャタピラ状のカバーがある。部分的な足まわり整備に強い。

・プラトン(1柱式・テストリフト)

 クイック点検や洗車、下まわりの簡易検査に特化したコンパクトな1柱式リフト。

・移動式コラムリフト

 タイヤ1輪ごとに独立した柱状のリフトを配置し、同調させて持ち上げる移動式リフト。ピット工事が不要な反面、設置と撤去に手間がかかる。


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