この記事をまとめると
■2024年4月の働き方改革関連法は物流倉庫にまで影響を及ぼしている
■大企業の倉庫は最新システムにアップデートできるが中小規模では対応が難しい
■通販サイトなどでは送料無料などのサービスを見直す必要がある
2024年問題は倉庫にまで波及していた
2024年4月の働き方改革関連法の物流業界への本格適用開始からはや2年、これに起因する「物流の2024年問題」はいまだ解決にはいたらず、2025年末には配送の遅れが全国各地の現場で相次ぎ、大手の運送会社が荷受けを制限する事態も起こっている。
働き方改革関連法によるトラックドライバーの残業時間規制が本格化し、ドライバーの残業が年間960時間に制限されたことにより、前述した配送の遅れが発生しているだけでなく、その現場の負担がドライバーから、その物流を采配する「倉庫」という現場にも及んでいるのだ。
積み荷をより効率的にさばくため、それぞれの荷物を目的地別に振りわけ、トラックへの積み降ろしを行う物流倉庫。この施設の役割は、ドライバーの荷待ちや長時間の荷役(積み降ろし作業)による肉体的、精神的負担を軽減するためにも重要なものとなってきている。
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それを反映してか、ここ数年、国道などの幹線道路沿いや高速道路のインターのそばに、大規模な物流倉庫が次々と建設されている。ちなみに三井不動産では、2025年時点で国内外に78の施設を整備し、その投下資本は1.3兆円にのぼっているという。これらの物流拠点は、単に倉庫という場所を貸すだけでなく、働く環境の整備や作業の可視化など、現場運営の高度化にも力を入れている。
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しかしこの新しい物流倉庫では、トラックドライバーと同様に「人手不足」が重要な課題になっている。大きなメーカーの工場や物流拠点から、全国各地の拠点まで「製品」を配送する定期便では、その荷物の振りわけやトラックへの積み込みは無人搬送車(AGV)や自律走行ロボット(AMR)の導入・実用化により、人手不足の問題は解決に向かっている。
一方で近年急増しているネット通販などのEC(電子商取引)においては、その取扱商品は多種多様にわたり、かつそれぞれの荷物が一般消費者向けの小口のものになるため、これらの倉庫内での仕わけやトラックへの積み込みは、どうしても人の手に頼らざるを得ない。アマゾンのような大手EC企業では、商品棚が自走で作業員のもとに移動するシステムなどが開発され、整備が進められているが、個々の荷物の積み込みの采配は、やはりマンパワーが必要不可欠だ。
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三井不動産や日本GLPなどでは、物流倉庫に託児所や休憩室を設けるなど、職場環境の充実化により働き手を呼び込むための方策がとられている。とはいえ、それによって人手不足が解決するかといえば、そうはならないのが現実だ。三井不動産や日本GLPといった大手の物流企業なら、大規模なインフラ整備もすぐに行うことができるだろうが、全国に多数点在している中小の物流企業では、なかなかそうはいかない。2024年問題が発生した以上、その解決はもはや「現場の力では限りがある」といわざるを得ないのだ。
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この問題を解決するためには、これら物流拠点の人材を確保するために行政が外国人労働者の受け入れ支援や自動化インフラの投資への後押しをすることも不可欠だが、根本としてすべての企業が「現場の力では限りがある」ことを認め、即日配達や送料無料といった、いまとなっては過剰ともいえる配送へのサービスも見直す必要があるのではないだろうか。