この記事をまとめると
■ジープ・アベンジャーのバンパーにあるアヒルのマークは渡河性能の限界を示している
■メルセデス・ベンツやボルボなどにもメーカーからのメッセージが隠されている
■筆者はメーカーの遊び心の現れを新型車が出るたびに探している
クルマに隠された「秘密のメッセージ」
先日、千葉で大雨被害が起きた直後のことです。たまたま試乗車の返却で、ジープやフィアットなどを扱うステランティス・ジャパンに行ったとき、立ち話で試乗したクルマの話をしていると、駐車場に止まっていたジープのコンパクトEV「アベンジャー」のフロントバンパーにはアヒルのマークがあるという話になりました。実際に見てみると、そこには水面にぷかぷか浮かぶ「アヒルちゃん」マークが!
ジープ・アベンジャーの渡河水深を示すアヒルのマーク画像はこちら
アメリカのジープオーナーのあいだには、お互いのクルマのダッシュボードにアヒルのおもちゃを置きあう「ジープダック」なるかわいいカルチャーがあります。アヒルちゃんマークもその流れかと思いきや、こちらはその流れでもかわいい隠れキャラでもなく、しっかりとしたメッセージがありました!
このアヒルちゃんが描かれている位置と目盛りは、アベンジャーが誇る渡河性能(とかせいのう)の限界水深を表しているのだとか。つまり「ここまで水が来ても大丈夫!」というタフな走破性の証。ちなみにアベンジャー4xeの最大渡河水深は400mm。大雨のニュースを見た直後だったこともありますが、この小さくてユーモラスなアヒルちゃんが、じつは頼もしい守り神なのです。
ジープ・アベンジャーのフロントスタイリング画像はこちら
クルマは、単なる移動の道具として作られているわけではありません。よ〜く見ないと気づかない場所に、デザイナーやエンジニアたちが、ブランドの誇りや乗る人への「秘密のメッセージ」をこっそり忍ばせているのです。
たとえばボルボ。最新のEVからお馴染みのモデルまで、ボルボのシートベルトのバックル(金具の部分)には、小さく「SINCE 1959」の文字が刻まれています。
ボルボ車のシートベルト画像はこちら
1959年は、ボルボが世界で初めて「3点式シートベルト」を開発した記念すべき年。しかも彼らは「人類の安全のために」と、その画期的な技術の特許を無償で世界に公開。いま私たちは当たり前のようにシートベルトを使用していますが、シートベルトのルーツはここにあります。カチッとシートベルトを締める、その一瞬が60年以上経った現在も、クルマの安全の基本となっていますが、何十年もブレない安全へのプライドが感じられるとともに、温かく守られている安心感に包まれます。これぞ大人の知的好奇心をくすぐる最高のメッセージではないでしょうか?