この記事をまとめると
■BMWのZシリーズはオープンモデルが主軸となっている
■Z3にはかつてV12エンジンを搭載した試作車が存在する
■重量や熱問題など課題が多く市販されることはなかった
コンパクトな車体にV12を詰め込んだ幻の1台
日本において、”ドイツ御三家”といわれているのが、「メルセデス・ベンツ」と「アウディ」、そして「BMW」だ。BMWは1916年に航空機用のエンジンを手掛ける企業として産声を上げ、BMWという社名は、「Bayerische Motoren Werke(バイエルン・エンジン製造)」というそれぞれの単語の頭文字をつなげてできたモノだ。また、青と白のお馴染みのエンブレムは、青空と回転する飛行機のプロペラをモチーフにしているといわれている。
BMWのエンブレム画像はこちら
そんなBMWといえば、セダンからクーペ、そしてSUVとさまざまなクルマを手掛けているが、なかでも特別なのがZシリーズだ。このZはZ1、Z3、Z4、Z8と存在しているのだが、これらのモデルはオープンモデルが主軸となっている。うちZ8は限定車であったことから、新車当時で約1600万円、現在はその倍くらいの価格で取引されている。Z1は限定車ではなかったが全然売れなかったこともあって、いま「ではこれも激レア車という扱いで、1000万円前後で取引されているそうだ。
BMW Z8画像はこちら
Z3とZ4に関しては大ヒットしたこともあって、中古車であれば数十万円から販売されているほか、この2モデルにはクーペモデルも存在する。
さて、そんなBMWにおけるZシリーズであるが、今回紹介するのは、かのマツダ・ユーノスロードスターの大ヒットに刺激され、追従する形で誕生したといわれているZ3に存在した幻の1台だ。
ではどんなクルマなのか。じつはこのBMW Z3には、世界に1台だけのワンオフモデルとして、なんとV12エンジンが搭載された、奇天烈な1台が存在する。誕生したのは1999年で、モデル名は「E36 Z3 ロードスター V12」。
BMW Z3ロードスター V12画像はこちら
搭載されるエンジンはM73という5.4リッターのV12エンジンとなっており、5000rpmで322馬力、3900rpmで490Nmを発揮する。数値で見ればそれほどのスペックではないかもしれないが、このZ3のボディサイズは4060mm×1740mm×1280mm(全長×全幅×全高)と、当時のBMWにおける最小サイズだった。
これに約320馬力を発揮するV12エンジンが搭載されているのだから、相当暴力的な加速をするのは想像に難くない。実際、0-100km/h加速は5.5秒、最高速度は263km/hだったという。トランスミッションは6速MTというのがまたオツだ。このM73というエンジンは、当時の7シリーズや8シリーズ、ロールス・ロイスのシルヴァーセラフなど、最上級クラスのクルマに搭載されていたので、相当にミスマッチな組み合わせだ。
BMW Z3ロードスター V12のエンジン画像はこちら
ちなみにかなりのフロントヘビーではあるが(前後重量配分は70:30)、車重は1400kg程度というのもまた、その強烈なパワー感を演出するのにひと役買っていたことだろう。乗ったことがないのであくまで予想だが……。この超巨大ユニットの搭載にあたり、エンジンの搭載位置はもちろん、冷却関係やサスペンションと、ガワこそZ3だが、相当手が加えられているという。