北京モーターショーの三菱自動車ブースはガードマンだらけの厳戒態勢!

中国では燃費不正問題はあまり知られていないが……

 北京国際モーターショーが開幕した。クルマの需要だけでなく、生産、開発部門も急成長で、いまや自動車業界も中国抜きに語れない。いや、むしろ中国が世界の自動車の行方を決めていくほどの勢いだ。このショーは5月4日まで開催され、とんでもない数の観客を動員する。

 そんななかで、異様な雰囲気だったのが、例の事件で揺れる三菱自動車のブースだ。北京モーターショー第1報がこんな形となってしまった。

 燃費問題の発端となった軽自動車は中国で販売されていないから、不正事件は関係ないと思っていた。ところが、である。プレスデ―初日の25日午前11時から始まるプレスカンファレンス前に、三菱ブースでは物々しい警戒が行なわれていた。他のブースにも迷彩服姿のガードマンがいるが、ここには50人はいるだろうか。

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 さらに奥の関係者控室に繋がるステージの袖には、見るからに屈強そうな、見方によっては暴力団風の黒服集団も控えていた。こちらは別に登場する芸能人のための警備らしい。隣のマツダでは、当然そんな警戒態勢はなく、何と世界で初めて公開する新型クロスオーバーカーCX-4の発表で、対照的に明るいお祭りムードだ。

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 三菱は今年の北京モーターショーでは、大きなブースを用意して、ずいぶんと力を入れた出展を予定していた。テーマは「新境界、新跨越」で、「ボーダーラインを乗り越えて、新しい世界に踏み出す」と、SUV中心の派手な作りのブースで、厳重な警戒ぶりとはチグハグ。もっとも、集まったプレスに聞いてみると「燃費問題? 知らないね」という。日本人の目にだけチグハグに映るのだろうか。
「万が一、総会屋のような人種が押し掛けるとまずい」ということだろうか。実際には、何も混乱の起きないにぎやかなプレスカンファレンスだった。
事情を聞いてみようと思ったが、日本の広報部や役員クラスの人の顔は皆無だ。

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 さて、肝心の三菱ブースは日本版RVRの新型コンパクトSUVのASXをアジアで初披露した。中国政府が推し進める新エネルギー車として、新アウトランダーPHVやスポーティセダンのランサーEXの発表が行われた。

 今回の三菱燃費不正問題は、さまざまな説があり、取材を重ねると不可解なことも多い。三菱だけが特別に悪者にされているような気がしている。
三菱の燃費不正問題は、フォルクスワーゲンの燃費不正とは性質が違う。国交省の対応にも問題が隠されているようにも見える。いずれにせよ、我々編集部は燃費不正問題の取材を続けている最中だ。まさか北京モーターショーにまでその影を落としているとは……極めて複雑な様相をみせている。

 晴天に恵まれた北京国際モーターショー・プレスデ―には多くの国際ジャーナリストが集まった。なかでも気になるマツダの新星CX-4の続報をお楽しみに。


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