【試乗】欧州基準の走りは本物だった! トヨタ・オーリス・ハイブリッド (2/2ページ)

ブレーキだけが決定的に残念なポイント

 では欠点はないのか? といえば、いくつか気になるポイントはある。
決定的に気に入らないのはブレーキだ。タイヤが鳴かない程度にやや強めにブレーキを掛け、停止前に少しブレーキペダルを緩めると、「シュコッ」という音と共に減速度が抜ける。抜けるから再び強く踏んで、またペダルを少し戻すと減速度が想定よりも抜ける。つまり減速度が上手くコントロールできずにギクシャクするのだ。新型プリウスに代表されるように、最近のトヨタのハイブリッド車はブレーキのタッチが、普通の油圧ブレーキ車に「まずまず近く」なった。対してオーリスは少し前のハイブリッド車のブレーキタッチだ。せっかく走りを楽しんでいても、このブレーキでは醒めてしまう。新型プリウスのようなクルマが既に存在するのだから改善してほしい。

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そして少し気になる点として、ステアリングのセンター付近、つまり真っ直ぐ走ってる状態からコーナーへ入るために切り出す瞬間が上げられる。ややセンター付近の手応えが曖昧で、もう少しダイレクト感があると嬉しい。Cセグメントハッチは、世界的に見るとBMW1シリーズやメルセデス・ベンツAクラス、フォルクスワーゲン・ゴルフなどがひしめく激戦区だ。それゆえ、やや厳しめに見ると気になるポイントである。
また、これは好みにもよるのだろうが、メーターが寂しい! ハイブリッドの先進感が感じられないのだ。プリウスやアクアなど、あまりにメーター表示の切り替えが多くて複雑でも実際にはいくつかしか使わないが、シンプルすぎるのもちょっとつまらないと感じた。

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オーリス・ハイブリッドは、2010年、先代モデルのときからヨーロッパで販売している。現行モデルのハイブリッドがヨーロッパで登場したのは2012年のこと。ハイブリッド以外に、1.3リッターガソリン、1.6リッターガソリン、1.4リッターディーゼル、1.6リッターディーゼルをラインアップする。にもかかわらず、ハイブリッドが55%程度を占めるという。今回の試乗では、ヨーロッパで受け入れられるために大切な、ハンドリング性能のよさを確認できた。これで燃費が30.4km/L(JC08モード)なのだから素晴らしい。

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あとは総支払額が300万円前後となる車両価格をどう捉えるか? 燃費も大切だけど走りも楽しみたい、という人にはオススメだと思う。

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石田貴臣 ISHIDA TAKAOMI

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愛車
トヨタ・エスティマ(MCR30)
趣味
読書(ミステリーが主)、TVでのサッカー観戦(バルサ/PSG/アルゼンチン代表/UCL全般)、映画鑑賞
好きな有名人
リオネル・メッシ、アラン・プロスト、綾辻行人、有栖川有栖、田中 瞳

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