【意外と知らない】オートマの「N」ニュートラルは何に使う? (2/2ページ)

「下り坂でNだと燃費が上がる」は都市伝説な上に危険!

 今でも稀に「下り坂はニュートラルで走ると燃費が上がる」と深い根拠なく言う人がいるが、走行中ニュートラルに入るのを想定したAT車以外は、「Dレンジでエンジンブレーキの状態だと燃料カットの状態なので燃料は使わない」のに、「ニュートラルだとエンジンはアイドリングなのでエンジンブレーキが利かない=アイドリングだとアイドリングさせるための燃料を使ってしまうため燃費で損をする」上に、エンジンブレーキが効かないので危険でもある。

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 しかし下り坂などのアクセル全閉状態だと、積極的にニュートラル状態とし空走距離を増やすし燃費を稼ごうとするATもある。具体的にはポルシェのPDKやボルボの8速ATなどが該当し、コースティング機能などと呼ばれる。

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 こういったクルマは通常のポート噴射のエンジンよりアイドリングで使う燃料が少ない直噴エンジン車であることが多い上、当然ながら走行中ニュートラルを使うことも想定されているのでできることなのだ。つまり走行中ニュートラルにすることを想定しない多くの車でニュートラルを使う必要はない。

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 なおコースティング機能を持つAT車は、ブレーキを踏む、シフトレバーを動かすといった操作を行えば、通常のエンジンブレーキが効いた状態となる。

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 またあって欲しくないことだが、運転中ペダルやリバースとドライブを間違えてパニックになった、運転者が急な疾患などでクルマが暴走したという場合に、ギヤをニュートラルにすることは暴走を食い止める手段に使えるので覚えておきたい。


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