【栄光のレースマシン】日産レジェンドカーのヒミツ5選 (2/2ページ)

ドライバーが怖がらないようウソの最高速を伝えたCカー

③スカイライン シルエットフォーミュラのヒミツ

 今でもファンが多い、シルエットフォーミュラのスカイライン。

WEB CARTOPベースは、6代目スカイライン(R30)だが、そのエンジンは、スカイラインとしては久々の復活したDOHC=FJ20エンジンではなく、WRC用に開発されたバイオレットターボのLZ20B/T型が搭載されていた。WEB CARTOP

 R30スカイラインは、ハコスカ&ケンメリGT-R以来のDOHCエンジン搭載で、「GT-R復活か」と騒がれたが、FJ20が4気筒だったこともあり、GT-Rではなく「RS」(レーシングスポーツ)という称号になったわけだが、肝心なレースでも採用されず……。WEB CARTOPWEB CARTOPそれでも不動の人気を誇る一台。サイド出しマフラーからの、アフターファイアーが印象的だった。WEB CARTOP

④R92CPのヒミツ

 時速400kmの燃費レースといわれた、グループCカー全盛期のモンスター。WEB CARTOP 当時のFSWの1.5kmの直線で、1コーナーが迫って来てもなお加速し続けていたクレージーなマシン。当代一流のドライバー、長谷見昌弘、星野一義でも「速すぎる」と畏怖(?)するほど。

 彼らが「トップスピードは何キロ出ているんだ」と聞いてきても、彼らが怖がらないように、実際は400km/hに届いていたのにも関わらず「380km/hです」「いや、絶対大台に乗っているだろ」「いや、380km/hです」というやり取りがあった。WEB CARTOP

 一方で、開発責任者だった水野和敏氏(のちの日産R35GT-Rの開発リーダー)は、「R92CPは、レーサーが楽で疲れないクルマを目指した」とも語っている。ちなみに、現在のF1でおなじみの「リフト&コースト」=アクセルをオフにした状態で(lift)、惰性で車を走らせる(coast)走り方は、燃費を抑えて速く走るために、この頃のCカーのレースで採用され始めたテクニックだった。WEB CARTOPWEB CARTOPWEB CARTOP

⑤NP35のヒミツ

 1992年の末に完成し、お披露目されただけで、翌年日産がグループCレースから撤退し、実践で日の目を見ることがなかったマシン。そういう意味では、存在そのものがヒミツのようなもの。WEB CARTOP

 それまでのグループCカーは、燃料制限だけが厳しく決まっていて(例500km=275L、1000km=510L、24時間レース=2450L)、エンジン形式は自由というのが魅力だったが、国際レースでは1991年から、国内でも1993年からターボは禁止、3.5リッターの自然吸気オンリーと車両規定が改正されたのが、日産がレース活動を中断した理由。WEB CARTOP

 しかし、新規定用の3.5リッター自然吸気のV12気筒エンジン=VRT35エンジンはすでに完成しており、公称630馬力以上だった。WEB CARTOP

 空力も極限まで追求されていたが、じつはフロントの日産のエンブレムは、空力を考えて凹凸のないデカール(シール)ではなく、立体の普通のエンブレムだったのが不思議(R92CPも同じ)。WEB CARTOP


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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