【1度は行きたいドライブスポット】 長崎・佐世保編 (1/5ページ)

「日本遺産」に認定された佐世保を行く

 富士山、富岡製糸場、明治日本の産業革命遺産、ル・コルビュジエの建築作品と、ここ数年にわたり、日本国内でもその登録が大きく採り上げられている世界遺産。ユネスコが認定し、すでに1000件を上回る登録がなされている。世界遺産は文化・自然・複合の3つに分類されるが、日本国内では、現在16の世界文化遺産と4つの世界自然遺産が登録されている。

 その世界遺産とはちょっと異なる日本遺産なるものが存在する。

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 日本遺産とは、文化庁が認定するもので、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーをもっている遺産である。文化財(文化遺産)の価値付けと保護を担保することを目的とする世界遺産登録や文化財指定とは異なり、日本遺産は、地域に点在する遺産を「面」として地域活性化を図ることを目的としている。

 そのストーリーは、3つのポイントを踏まえた内容となる。歴史的経緯や地域の風土に根ざし世代を超えて受け継がれている伝承や風習等を踏まえていること。その中核には、建造物や遺跡・名勝地、祭りなど、地域に根ざして継承・保存がなされている文化財にまつわるものが据えられていること。さらに、単に地域の歴史や文化財の価値を解説するだけのものになっていないことが必要なのだ。

 地域に受け継がれている有形・無形のあらゆる文化財を対象とすることができるが、そのなかに国指定・選定文化財を必ず一つは含める必要がある。そして単一の市町村内でストーリーが完結する「地域型」と複数の市町村にまたがる「シリアル型(ネットワーク型)」の2つのタイプがある。

 その選定は昨年の4月から始まっており、昨年すでに18のストーリーが認定されており、2年目となる2016年度には19のストーリーが認定された。

 その中には、「四国遍路(回遊型巡礼路と独自の巡礼文化/愛媛県・高知県・徳島県・香川県各県内57市町村)」、「日本茶800年の歴史散歩(京都府宇治市、城陽市、八幡市、京田辺市、木津川市、久御山町、井手町、宇治田原町、笠置町、和束町、精華町、南山城村)」のようなメジャーなものから、あまり知られていないものまでさまざま。

 これまで33の府県(延べでは48府県)が関わっているが、そのうち3つの日本遺産をもつのが、神奈川、広島、長崎の3県である。その3県ともにまたがって京都府も含めて認定されたのが、「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~」である。


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