【MT車で見かける】ギヤチェンジの際に1回空ぶかしする人がいるけど意味はある? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■「ヒール&トゥ」とは減速ショックと駆動系へのストレスを減らすテクニック

■「ダブルクラッチ」はエンジンの回転数を合わせてスムースに変速するテクニック

■どちらもシンクロ機構を備える現代の車では不要なテクニック

シフトダウンの場合はスムースにギヤを繋げるため

 例えば、4速4000回転=100km/hで走っていたときに、3速にシフトダウンするとしよう。4速と3速では、当然ギア比が異なるので、クラッチを切って3速に入れ、即座にクラッチをつなぐと、強いエンジンブレーキがかかり、減速ショックとミッションをはじめとする駆動系にストレスがかかる。

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 上記のクルマが、100km/h=4速4000回転で、100km/h=3速5100回転だとしよう。この場合、クラッチを切って、シフトレバーを4速から3速に動かす間に、アクセルを軽くひと吹かしし、およそ1100回転ほど回転数を上げてから、クラッチをつなげば、実質的に変速ショックは皆無となる。

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 平地から上り坂、あるいはエンジンブレーキが必要な下り坂に差し掛かるときは、このようにしてシフトダウンすればいい。また、この操作を、右足のつま先でブレーキを踏みつつ、踵でアクセルを踏みながら行うのが、いわゆる「ヒール&トゥ」というテクニックになる。

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 ヒール&トゥで、もっとも重要なのは、ブレーキコントロールを優先しつつ、アクセルで回転数を合わせ、変速ショックによるピッチングをゼロにすること。ヒール&トゥのために、アクセル操作と連動して、ブレーキの踏力が変化してクルマがギクシャクしてしまったり、アクセルを煽っても、回転数が合わなかったりするのは、本末転倒もいいところ。

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 ここで肝心なのは、ヒール&トゥは、エンジンブレーキを得るためのテクニックではないという点。ヒール&トゥを行うときでも、減速はほぼ100%フットブレーキの仕事で、ヒール&トゥは、シフトショックをゼロにするのが最大の目的。

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 逆にいえば、シフトショックを伴うヒール&トゥらしき操作は、ヒール&トゥとはいえないので、ブレーキの踏力が保てなかったり、回転数が上手く合わせられないようなら、しかり減速を終えてから、シフトダウンだけを行う方がベターだろう……。

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 なお、ヒール&トゥを使わずにシフトダウンを行うときは、切ったクラッチを戻すときに、スパっとつながず、半クラッチを少し使って戻すようにすると、途中でアクセルをひと吹かしして、回転数を合わせなくても、変速ショックを最小に抑えることができる。

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藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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