【ニッポンの名車】レースで勝つべく生まれた日産スカイラインGT-R(R32型) (2/3ページ)

2.6リッターという半端に見える排気量もグループAで勝つためのもの

 グループAでは、排気量ごとに最低重量とタイヤの幅が決まる規定だったので、ターボ係数1.7をかけた排気量が、ギリギリ4.5リッターになるように、他に例のない2.6リッター(2,568cc)+ツインターボのRB26DETTというエンジンが搭載された。結果、グループA GT-Rの最低重量は1260㎏で、ライバルの3リッターターボ車の最低重量(1420㎏)に対し、160㎏のアドバンテージを得ることに成功。

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 また、直6ゆえに長くて重いと言われたRB26DETTエンジンだが、その鋳鉄ブロックは頑丈で、国産車ではじめて、1000馬力の大台に耐えられるタフネスさを誇っていた(グループA仕様では、MAX600~650馬力)。

 ピークパワーだけでなく、4000~8000回転まで使える広いパワーバンドがある市販車ベースのターボエンジンも、他には見当たらない時代だった。

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 しかし、グループAでは、タイヤサイズはノーマルの2インチアップまで、幅は11インチまでという規定があったので、FRで600馬力のパワーは受け止められない。

 そこで、FRベースのトルクスプリット4WDシステム、「ATTESA E-TS」を投入。4WDのレーシングカーで、はじめて大成功を収めた一台となった。

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 ロードゴーイングカーとしては、走りのために、ボディを先代よりもコンパクトにしたというのは大英断だった。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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