クルマの進化や時代の流れで消えた懐かしのドラテク7選 (1/2ページ)

昔のクルマでは重要だったが今では必要ないテクニックもある

 クルマやタイヤの性能向上とともに、時代遅れというか、有効性が失われたドライビングテクニックがいくつかある。

①ダブルクラッチ

 典型的なのはダブルクラッチ。ダブルクラッチとは、シフトチェンジの際、クラッチを切り、シフトレバーをニュートラルの位置に動かし、そこでいったんクラッチをつないでアクセルをひと吹かしして回転を合わせ、それからクラッチを踏んで、ギヤを入れ、クラッチをつなぐ作業のこと。WEB CARTOP

 M/T車でシンクロメッシュ機構がない時代、あるいはシンクロがお粗末だった時代には非常に有用なテクニックだったが、フルシンクロメッシュ、しかもマルチコーンが当たり前の当今では不要のテクニック。よほど寒い時期でミッションが冷え切っている場合を除き、ギヤの入りが悪い場合は、ミッションオイルの交換やミッションオーバーホールを検討した方がいい。

②ソーイング

 ウェット路などで、路面のグリップが低いときに、グリップの限界を探るため(?)に、ハンドルを小刻みに切る操作のことをソーイングという。しかし、小刻みにハンドルを切るということは、絶えずスリップアングルが変化するということになり、結果として、グリップ力はかえって低下し、クルマは不安定になるので、メリットはない。

③タックイン

 かつてのアンダーステアの強いFF車を曲げるためのテクニック。パワーオンでコーナーに進入し、ステアリングを切ったままアクセルを一気に戻すと、ノーズが急にインを向きを変えるというFF車の特性を利用したもの。

 しかし、今のFF車はそれほど強いアンダーステアではないし、タックインを出そうとしても、スタビリティが高いので、急激な姿勢変化は望めない。それでも無理やりタックインを出そうとすると、今度はヨーの収まりが悪く、スピンするリスクが増えるだけなので、不安定な動きなどは出さないほうが速く走れる。

④ストレートアーム

 ドラテクというよりドライビングポジションだが、かつて一部で腕をまっすぐ伸ばしてステアリングを握るのがスポーティーだと思われていた時代があった。

むかしのレーシングカーのなかに、やたらと寝そべったポジションを強制されるマシンがあった影響とされるが、腕が伸びきった状態では、当然ハンドルを回しづらいので、上半身はできるだけ垂直に近い状態で、ステアリングを握ったときに、肘が軽く曲がった状態をキープできるのが、いいポジションだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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