【ニッポンの名車】世界一のハンドリングマシン! FD3S型マツダRX-7 (2/3ページ)

徹底的な軽量化は「ゼロ戦」の機体からもノウハウを得た

 そこで、FD3Sでは全幅以外の全高、全長、ホイールベースのすべてをFC3Sよりも縮小。加えて車体部品の32%をアルミに材料置換し、トータル150㎏のダイエットを成功させ、目標を達成させた。この軽量化作戦は「ゼロ作戦」と呼ばれ、開発陣がゼロ戦の機体から軽量化の方法を学んだという逸話がある。

 サスペンションは、FD3Sのために新たに前後ダブルウイッシュボーンサスを開発。サスペンションアームのブッシュにもピロボールなどを入れ、電子デバイスに頼らず、切れ味抜群のハンドリングに。もっとも初期型に関しては、切れ味が鋭すぎるというか、ナーバスすぎたともいえるだろう。

 1993年のマイナーチェンジでⅡ型になり、17インチタイヤやビルシュタインダンパーなどが採用されて、ハンドリングが改善された。

 このようにFD3Sは、モデルライフ中に進化し続けていったのも特徴で、1991年~1995年までの前記型でもⅠ型~Ⅲ型があり、1996年からの中期型がⅣ型、1999年から生産中止になる2002年までの後期型もⅤ型・Ⅵ型に分かれている。

 エンジンも順次改良が加えられ、255馬力からはじまり、中期型で265馬力、後期型では280馬力になった。スタイリングも、少し古典的なイタリアンテイストを取り入れ、美しさが高く評価されたマシン。現在の「デザインのマツダ」の礎になった一台ともいえる。

 セッティングやデバイスに頼らず、基本のパッケージの良さで性能を追求していった結果、生産終了時まで、11年間もピュアスポーツカーとして、トップパフォーマンスを維持し続けることができた。

 マツダは、このRX-7のおかげで、スポーツカー世界最多量産メーカーという称号を手に入れている。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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