【ニッポンの名車】登場時は酷評も改良し続け進化した2代目トヨタMR2 (2/3ページ)

トヨタの底力をみせⅢ型からは別ものの走りへと進化

 しかし、そこで終わらなかったのがトヨタの偉いところ。1991年にⅡ型へマイナーチェンジを行い、サスペンションの構成部品とレイアウトを変更。15インチタイヤを履いて、ブレーキも容量アップ。ビスカスLSDやビルシュタインのダンパーも用意。これで、まともなスポーツカーに。

 さらに1993年のマイナーチェンジで、Ⅲ型は、ジオメトリーの見直しとストラットタワー部などボディの取り付け剛性などもアップ。エンジンも20馬力の出力向上を果たして245馬力に(ターボ)。スポーツABSもこのⅢ型から採用された。

 1996年(Ⅳ型)、1997年(Ⅴ型)で、さらに一部改良も加えられている。また、1995年にMR2誕生10周年記念特別仕様車や、1996年にTRDからフルオープンの「MRスパイダー」なども登場していた。

 というわけで、SW20は、初期型とⅢ型以降は、別のクルマといっていいほど仕上がり具合に差がある。モータースポーツでは、長年にわたり、ジムカーナではクラス最強のマシンとして君臨。JGTCや、ルマン24時間にもサードMC8Rとして参戦している。またチューニングカーの世界では、ミッドシップレイアウトを活かして、4WDにも勝てるゼロヨンマシンとして人気があった。

 未完成形(?)として登場したために、第一印象はよくないクルマだったかもしれないが、熟成に熟成を重ねたSW20、最後はポテンシャルの高いスポーツカーとして名車の仲間入りをしたといってもいいだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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