運転も運行も難しい! 新人路線バスの運転手の練習方法とは

安全な運行のため”ひとり立ち”までに長い研修や練習がある

 貸切または路線バス、いずれにしても大型二種免許を取得すればすぐにお客を乗せて営業運行できるわけではない。さまざまな社内研修を経て”ひとり立ち(ひとりで営業運行)”していくのである。今回は大型二種免許を持たないひとが路線バスの運転士として”ひとり立ち”していくプロセスの一般例として紹介していこう。路線バス

 まずは”養成運転士”として採用され、採用したバス事業者の支援(おもに費用面)を受けながら、指定された教習所で大型二種免許を取得することになる。事業者個々で制度内容は細部で異なるが、大型二種免許を取得した段階で正式入社となるケースもある。大型二種免許取得費用に関しては、採用事業者が”貸し付ける”ことになり、”年期奉公”とも呼ばれる、一定期間以上勤続することで借り受けた取得費用の返済が免除される。この流れはタクシー運転手でも同じものとなるのが一般的。

 大型二種免許を取得して正式入社したあとは社内研修を受けることとなる。最初の1週間ほどは座学が中心だ。バスの構造など基礎的なことから、運賃箱の使い方や接客接遇などについてまで学ぶこととなる。

 座学を終えると実務、つまり実際バスを運転しての研修となる。サイズが大きいので専用コースというわけにもいかないので、一般公道で研修は行われることになる。専用の訓練車を使う事業者もあれば、一般の路線バス車両を使って行う事業者もある。

 街なかで”研修中”などと表示して走っているバスがそれにあたる。ひとりのトレーナー(ベテラン運転士など)に数人の新人ドライバーが組み合わされることが多く、よりリアルな営業運行に近いスタイルで研修が行われるとのことである。

 ここまでが事業者全体での研修となり、これを終えると各営業所(車庫)へ配属となる。そして配属先において再び研修を実施する。実際に運転しながら配属先の路線のルート確認などを行っていくのだが、単純に一定期間を終えれば終了ということではなく、運転スキルに問題があったりすれば、それを矯正できるまで研修が続けられるのが一般的のようだ。

 その後は、先輩運転士の営業運行に同乗したり、逆にベテラン運転士に同乗してもらいながら営業運行を行い、ひとりでの営業運行が可能という”見極め”が行われれば、その時点で”ひとり立ち”となる。”ひとり立ち”して以降も定期的に研修が行われていく。

 養成運転士として採用された段階で、応募してくるひとが年配な場合も多く、それまで一般乗用車などで運転してきている期間が長いので、”クセ”のきついひとも目立つとのこと。大型二種免許取得時には、この”クセ”の矯正に悩まされるひとも多いようだ


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