マツダ・ロードスターレースの世界一決定戦に日本人2名が挑んだ (2/2ページ)

レース2スタート直後に山野・大井両選手はまさかのクラッシュ!

 17時にスタートしたレース2は、さらに激しさを増す。ポールポジションはレース1と同じくリーガー選手で、以降もフォーリー選手、ギャラガー選手という、レース1と同じ順位でスタート。1コーナー手前で早くもギャラガー選手がインを突き、トップに立つ。すると後方では13番手からスタートしたジェンセン選手が1コーナー出口でスピンし、山野選手にヒット!

 山野選手はなんとか軽傷でコースに復帰したものの、土煙のなかコースに戻ってきたジェンセン選手が、今度は大井選手にヒット! 大井選手のマシンは右側フロント部を大破してしまう。大井選手はオイルやラジエターなどの液漏れがないかどうか、コース外をゆっくりと走行し、漏れがないことを確認したうえでピットイン。ボディがタイヤにあたる部分を応急処置した上でコースに復帰を果たす。

 コースにはペースカーが入り、追い越し禁止のイエローフラッグが4周目まで続いたのち、レースが再スタート! しかしトップのギャラガーが1コーナー出口でシフトミスをし、コック・ケントン選手、オーティズ選手の先行を許す。しかし翌周にはオーティズ選手を抜き返し、2位に浮上。さらに翌周1コーナーでケントン選手を交わし、再び1位に立つ。

 以下、1位から5位まで5台がトップ集団を形成。ギャラガー選手、オーティズ選手、コック選手、クレッシ選手、ルーク・オクスナー選手の5台が、激しいバトルを繰り広げる。するとレースも残り9分を切った19周目、最終コーナー手前でアウト側に膨らみ、コック選手に抜かれたオーティズ選手のマシンが、抜きにかかったコック選手のマシンのリヤタイヤに乗り上げ、激しく横転! 

 コースには即セーフティカーが入り、横転したマシンが改修される間、他のマシンはピットレーンで待機する形となる。このままレース終了かとも思われたが、残り5分でレース再開。ギャラガー選手が0.1637秒差でルーク・オクスナー選手を抑え、今度は文句なしの優勝。レース1で2位、レース2で1位という結果から総合1位となり、優勝賞金7万5000ドルを手にした。ギャラガー選手は2017年のシーズン優勝によって20万ドルのスカラシップを得ていることから、シーズンを通じて27万5000ドルを手にしたことになる。

 日本人選手は、山野哲也選手がレース1で12位、レース2で11位、大井選手がレース1、レース2ともに16位という結果に終わった。万全な状態で臨めたわけではなかった両選手。

「じつは高校時代にカリフォルニアに住んでいたことがあります。その地にレーシングドライバーとして戻ってきて、ラグナセカを走ることができて感慨深い。予選よりも順位を上げられたし、またレース1は近くにいたマシンたちと抜きつ抜かれつのバトルができて、とても楽しいレースができた。(山野選手)」

「日本国内でレースをしていても、今回みたいにチャレンジャーとして闘えることが少ないし、こんな手強いコースを走ることもできない。そんな経験ができて非常に良かった。(大井選手)」

マツダはMX-5カップ北米シリーズで活躍した優秀な選手にスカラシップを設定しており、将来のナスカードライバー、インディドライバーを目指す若手ドライバーが凌ぎを削っている。実際、現在インディで活躍しているドライバーの8割以上が、マツダから何らかのスカラシップを得た経験があるというから、レースファンも将来のスター候補が揃う同レースにぜひ注目をしてもらいたい。

 またこの招待戦に関しては、今後もラグナセカで開催していくそうだが、2020年にはマツダが100周年を迎えることもあり、「そのときは日本で何かやってもいいかもしれません。(北米マツダ・毛籠社長)」とのこと。ぜひ日本でもMX-5カップのオールスター戦が見てみたい!!


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